研究課題
奨励研究
この研究は高校生の聴解能力を改善するため超分節音素を中心にしたリスニングデジタルコンテンツを自主開発し、「英語発音における超分節音素を教えることは高校生に聴解を指導するのに効果的である。」という仮説の証明を試みた。お茶の水女子大学附属高等学校1学年2クラス78名を実験群と統制群とし、2群にリスニング学習デジタルコンテンツを用いて1学期間聴解を指導した。(週4時間英語I)1クラスは一斉授業でコンテンツの問題のみを解かせた。(統制群)1クラスは一斉授業でコンテンツの超分節音素の解説ビデオクリップを見せ、問題を解かせ、さらに、問題文を音読させた(実験群)。指導の効果を調べるため、4月16日にプリテストとしてTOEICミニテストを実施した。5月30日にポストテストを実施した。また、同日にアンケートを実施した。TOEICミニテストで、クラス間、および試験1回目と2回目の間に平均値の差がみられるかどうかを検討するため、二元配置分散分析を行った。結果はクラス間要因には主効果はみられなかったが、試験要因に5%水準で有意差がみられ、試験1回目<2回目であった。したがって、超文節音素の指導をすると、その発音の知識がリスニングテストに反映されるようであるが、普通に聴解問題をやらせるだけでも、音読練習などから帰納的に発音に関する知識を身に付けて聴解能力が改善されるのではないかと予想できた。実験群と統制群の間でアンケートの回答の平均値を比較した結果5%水準で「この練習を行ってから英文の音読を積極的にするようになった」という問いに有意差が見られ、実験群の平均が高かった。したがって超分節音素の指導を行うと音読の積極性が改善されることがわかった。
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2007 International Conference for Media in Education(5th)September 5-7, 2007
ページ: 255-263
第33回全国英語教育学会大分研究大会発表予稿集II 2007
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