研究概要 |
○研究目的 本研究第1の目的は,人やもの・こととの関係性や,教師・児童の自己変容プロセス(以下,関係的過程)の学びに着目した技術・家庭科技術分野(以下,技術分野教育)のカリキュラムを,十日町市立の5つの小学校(水沢小学校,馬場小学校,西小学校,川治小学校,松里小学校)で学習臨床的・教育実践的研究をすることである。第2の目的は,日本の技術分野教育の技術的課題解決力「designing/design process」を重視した「ルーブリック」の作成及び,スタンダード準拠評価の実施により,信頼性・妥当性のある評価基準を開発することである。第3の目的は,技術分野教育のカリキュラムのデザインに関わる学年間の連携や,円滑な実施のための指導体制等の課題発見,ルーブリックの達成に向けての関係的過程に焦点を当てた改善方法を提案することである。 ○研究方法 本研究は,研究代表者を含む計5人の教諭で教育実践を進める。主に,アクション・リサーチによる研究手法を取り入れたカリキュラムをデザインする。また,再生刺激法(授業をビデオに録画し,授業終了後,録画された授業を子どもに視聴させながら,授業中に考えたことや感じたことを自己報告させる方法)により,授業中の観察だけでは得られない学習者の学習過程を把握し,教師や学習者が授業を進める上で有効に働く評価基準(評価事例集を含む)を開発する。 ○研究成果 本研究の成果は,3つある。1つは,研究協力者と共に小学校段階における「ものづくり教育」「技術教育」の草の根的な活を推進することができた点である。2つは,先行研究の技術教育課程基準表を具体的に示す「創成力」や「技術的素養」に着目した評価事例集の収集・精選である。評価事例集の収集・精選に着手した本研究は,本邦初研究であり,画期的な教育実践である。3つは,教育実践研究発表会の開催(2008年1月19日)を通じて,県内外の多くの参会者と共に開発した評価基準(評価事例集を含む)の議論及び,再検討することができた点である。
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