研究課題
奨励研究
本研究の最大の目的は、学生の学習意欲を高め、学習内容をより効率よく学生に定着させることを目標に、教員の教育活動の手助けとなるシステムの開発を行うことである。具体的には、主に国家資格である情報処理技術者試験(初級システムアドミニストレータ、基本情報技術者、ソフトウェア開発者、テクニカルエンジニア)の午前問題対策を対象とした。特に、これらを習得するためには体系的な学習とは別に、最低限の知識の暗記という作業が必要になってくる。暗記作業に必要な学習時間の確保と定期的な繰り返しには、E-learningやCBTを用いた学習が非常に適している。しかし、現状では学生にとってはE-learningやCBTは、難しい本を読むつらい作業と同じであり、効率的ではないことが分かった。その点を改善するためにEメールによる個別対応を行い、かなり良い成果を挙げることができたが、教師側の負担もその分大きく断念せざるを得なかった。このような経緯から、擬似的な個別授業を思わせるようなE-learningシステムを構築し、運用するという考えに至った。既存のE-learningシステムでは、自由度が低く学生との距離感をなくすために、問題そのものに授業中での会話を組み込んだり、見た目もどの教師が関わっているかが分かるようなカスタマイズ性を考え、フリーソフトウェア(Debian GNU/Linux+Apache+MySQL+Perl/PHP)を利用し自前で開発した。2007年8月に一般公開(http://www.netdemanabu.com/)してから2008年3月現在までの利用実績は、リピートユーザが16名となり平均解答数は382題となっている。10月15日に行われた試験の結果より、当システムでの出題範囲に関する合格者は、初級システムアドミニストレータが12人中6人、基本情報技術者は2人中2人、ソフトウェア開発は1人中1人、テクニカルエンジニア(ネットワーク)は1人中1人となり、非常に大きな成果をあげることができた。これは、よい教材を作成することも非常に重要だが、どのようにコンピュータの前に座らせ勉強させるかが非常に重要であることを示唆している。また、このシステムは、本システム単独で利用するものではなく、たとえば、学生が問題を解くとその正誤を教師が簡単に確認できるため、その結果を見て、直接学生に言葉をかけるなどすることによる相乗効果も非常に高いと考えられる。このようなE-larningシステムはさまざまな問題に応用が可能であり、現在は精神看護学への応用を検討している。
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Astrophysics and Space Science(accepted) 未定
Proceedings of International Conference on Gravitation and Astrophysics at Nara Women's University(accepted) 未定