○研究目的:本校機械工学科の低学年学生は、創造総合実習の授業内、およびロボットコンテスト用マシン製作等において、設計・製図、およびものづくりを行う機会がある。しかし、設計初心者の低学年が設計・製図を行なう場合、特に、はめあいの寸法公差記入が困難であり、どの設計場面でどのはめあいを使用したら良いか判断がっかない。また、加工経験が少ないため、寸法公差値の大きさにも実感が持てない。そこで、学生自身がはめあい具合を体験できる各種はめあい実物教材を製作する。また、実際の各設計場面で必要となる、はめあい寸法公差の設計基準を製作し、はめあい設計の容易化をはかる。 ○研究方法:はめあいには軸基準と穴基準があるが、軸を加工するほうが精度良く加工できるため、本研究では、一般的な穴基準を用いた。また、例えば同じすきまばめでも公差域クラスによって、様々なはめあいがある.。そこで、各それぞれのはめあいの軸と穴の現物を製作し、はめあい具合が体験できるようにした。製作したものは、すきまばめ(緩合・軽転合・転合、精転合)、中間ばめ(滑合・押込・打込・軽圧入)、しまりばめ(圧入・強圧入)である。さらに、各書籍を参考にして、各用途を記入したはめあい表を作成した。 ○研究成果:製作したはめあい教材とはめあい表を学生に試してもらい、無記名のアンケートをとった。その結果、各種はめあいの違いの理解、各種はめあいの用途がよくわかるようになった。
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