1:研究目的 与えられた客観的な事柄を単純にただ記憶する能力(受動的で知識の羅列的な暗記能力)だけでなく、必要な情報を自分で探し活用し、国内外の生徒と情報を共有化し発表する能動的な能力を、情報機器を利用して開発する。 2:研究方法 (1)実験・観察の事前指導に、インターネットを利用したWEB授業(e-ラーニング)を実施し、その有効性を検証する。(2)携帯動画端末(iPod・PSP・携帯電話等)を使ったポッドキャスト型WEB授業(e-ラーニング)を実施し、その有効性を検証する。(3)(1)及び(2)が、授業の理解力・実験の安全性の向上に効果があるのかを検証する。3:研究成果 (1)…授業における実験・観察の多くは、教科書の学習内容を体験・確認するというケースが多く見受けられる。しかし自分で専用HPにアクセスし、e-ラーニングにより予習し仮説を立て実験を行うといった能動的行動が、内容の理解向上に貢献していることが分かった。また、実験操作についての動画を加え、実験中にノートPCにより動画を確認しながら操作を行った結果、実験時間の短縮につながり、操作上のミスが減少した。(2)…(1)におけるPCの役割をiPod・PSP・携帯電話におきかえて実施した結果、予習においてはPCより携帯性・操作の簡便さという点においてPCより有効である。しかし、実験中の動画による操作確認は、画面が小さく不向きであること、また携帯動画端末は動画再生によるバッテリー消耗が激しく長時間の使用には不向きであるが判明した。(3)…ノートPCによる実験中の動画による操作の確認が、実験の安全性向上に効果があった。質問があると、全体を俯瞰し危険を察知することが途切れるが、各自が動画を確認することで質問数が減少し全体を継続的に見ることが可能となった。PCがTAの役割を一部担える可能性があると考えられる。
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