松山市西部の掘江海水浴場に流入している明神川は上流にある缶詰工場などの汚水で、河川は汚濁し、地域住民は悪臭に悩まされている。昨年愛媛県ではその苦情により「木炭による水質浄化」を行い、河川下流に木炭7.5トンの埋設を行った。しかし、木炭にヘドロが付着し匂いが増している。筆者は竹炭粉と有用微生物を混ぜ合わせた「微生物竹炭粉」を大量に作り、河川へ放流し「微生物竹炭粉」を用いた河川浄化を行う。 地域ボランティアの「明神川を美しくする会」で有用微生物を、河川上流の護岸に愛媛県より了承を得た仮設建物の建築を行い、タンクを設置し米のとぎ汁と糖蜜で有用微生物の培養を行った。河川の水をポンプでくみ上げ微生物と混合し大量に培養した。このとき、秋から春にかけた低温時に微生物の繁殖が悪いので、太陽電池を用いて、培養液に適切な温度で保温し有用微生物を培養した。有用微生物の培養液500リットルを別のタンクに分け、それぞれのタンクの中に竹炭粉50kgを入れ、この竹炭粉が培養液タンク底に沈下するまで数週間放置した。この微生物竹炭粉の培養液を河川の上流より放流した。放流は月に2回程度雨上がりに実施した。この作業を繰り返すことで河川に溜まったヘドロは竹炭粉の多孔質を住処にした有用微生物により除去する。 河川上流から中流にかけて河川に付着していたヘドロがはがれ、河川の透明度は良くなり悪臭も減ってきた。しかし、下流においては防潮堤があることで改善されなかった。「微生物竹炭粉」は河川の活性化には定期的に長期間投入することで有効であるがわっかった。なお、この実験の報告は「第3回みんなで地球・愛ワッショイ」豊田スタジアムのフォラムで発表を行った。
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