研究課題/領域番号 |
19F19026
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
齊藤 圭司 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90312983)
|
研究分担者 |
BRANDNER KAY 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2019-10-11 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2019年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
|
キーワード | 非平衡熱力学 |
研究開始時の研究の概要 |
固体から液体、液体から気体というように、物質は安定な状態を急激に変化させることがある。このような巨視的な変化を相転移と呼ぶ。本研究では、熱を利用して仕事を取り出すいわゆる熱機関において、相転移現象がどのような影響を与えるかを考える。考える系として冷却原子の実験を想定して、ボース・アインシュタイン凝縮現象に焦点をあて、熱機関におけるその影響を解析的に明らかにする。
|
研究実績の概要 |
微小熱機関における熱から仕事への変換を深く理解することにより、熱力学における非平衡効果や量子効果の普遍的性質を明らかにすることが昨今の物理学における重要な課題の一つになっている。この方向性のもとに、我々は微小熱機関の近準静的サイクル(完全に準静的ではないが準静的に近いパラメーター変化をともなうサイクル)における熱効率と仕事率との関係、また量子コヒーレンスの効果を厳密に議論した。 近準静的過程においては、断熱量子理論を使えるので分布関数をサイクル時間の逆ベキで展開することにより厳密に、系の定常分布の展開を行った。これにより仕事とエントロピー生成に対する厳密な表式を導出し、仕事率が熱効率と熱力学長という量で上からおさえられることを示した。熱力学長は、経路が決まれば系に対して一意的に決定される量で、完全に幾何学的量である。これは、非平衡熱力学的な量を幾何学的な量で表したという意味で非常に興味深い関係式である。 また、量子的コヒーレンスの効果に関しても厳密な議論も行った。その結果、量子コヒーレンスは常に熱効率を減じる方向にはたらくことを示した。 これら2つの結果は、熱と仕事の間に成立する厳密かつ普遍的な関係であるという意味で意義深い。熱力学長を測ることで、熱機関としての性能を特徴付けらることも意味しており、今後具体的な系で調べられていくと期待される。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|