研究課題/領域番号 |
19F19087
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川北 篤 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80467399)
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研究分担者 |
AHMED AYMAN 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | タマバエ / コバンノキ / コミカンソウ属 / ヤマノイモ属 / Clinodiplosis属 / Macrolabis属 / タマバエ科 / ニューカレドニア |
研究開始時の研究の概要 |
タマバエ科は、虫えい形成性をはじめ多様な生活史をもつ双翅目の一群で、ほとんどの種が2mm内外の微小な昆虫である。その多くは植食性であり、一般には農業害虫としてのイメージが強い。しかし、まだ生態が未解明の膨大な種の存在を鑑みると、タマバエ科昆虫が自然界で果たしている役割が十分に理解されていない可能性がある。我々は最近、日本に生育するいくつかの植物が、もっぱらタマバエによって花粉が運ばれているらしいことを見出した。本研究は、コミカンソウ属の植物を主な材料に、タマバエ媒の自然史、多様性、共進化過程などを調べることにより、植物の共生者としてのタマバエの見過ごされてきた役割に光をあてるものである。
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研究実績の概要 |
2020年度の前半はコロナウイルスの影響で野外調査が制限されたため、前年度までに日本およびニューカレドニアでの野外調査によって得られたタマバエの分類学的検討を行った。その結果、コミカンソウ属コバンノキの送粉者であることが前年度までに分かったタマバエが、雄花に虫えいを形成するClinodiplosis属と、自らは虫えいを作らず、Clinodiplosis属のタマバエが形成した虫えいに居候すると考えられるMacrolabis属の、合わせて2種の未記載種からなることが分かり、これらの新種記載を進めた。また、ニューカレドニアのコミカンソウ属の1種Phyllanthus baladensisに同じように虫えいを作り、送粉者としての役割も果たすタマバエがClinodiplosis属であることも分かった。コバンノキやP. baladensisとよく似た花をつけるコミカンソウ属植物は多いことから、コミカンソウ属植物と、虫えい形成性のClinodiplosis属タマバエとは共進化関係にある可能性が高い。また、日本産ヤマノイモ属のいくつかの種でタマバエが花に訪れるものがあることから、2020年の夏以降はヤマノイモ属とタマバエの関係について主に調査した。ヤマノイモ属でも花に虫えいを作るタマバエが多く存在したが、花にはタマバエ以外の双翅目昆虫も訪れていたため、主要な送粉者は必ずしもタマバエではないと考えられる。さらに、コミカンソウ属、ヤマノイモ属以外にもタマバエ媒であると考えられる萌芽的な系の発見があった。本研究は、タマバエの送粉者としての見過ごされてきた役割の解明に大きく貢献した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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