研究課題/領域番号 |
19F19344
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
有賀 克彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (50193082)
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研究分担者 |
JIA XIAOFANG 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 界面 / 細胞 / 液体 / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
Stem Cell などを用いた研究により、液-液界面は、単なる液体の界面ではなく、自発形成されるタンパク質ナノシートと細胞の間の力学的相互作用が細胞の成長や分化に大きな影響を与えていることを解明する。従来は、様々な固体基板上で細胞培養を行ってきたため、固体基板からの影響が不可避であった。一方、本研究は、特定の固体基板の影響を全く受けることがなく、純生体物質からなる人工細胞外マトリックスによる細胞研究ができる。
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研究実績の概要 |
本研究では、有機溶媒と水培養液の界面で細胞培養を行いその解析を行うという、世界でもほとんど例を見ない独自研究を行う。Stem Cell などを用いた研究により、液-液界面は、単なる液体の界面ではなく、自発形成されるタンパク質ナノシートと細胞の間の力学的相互作用が細胞の成長や分化に大きな影響を与えていることを解明する。従来は、様々な固体基板上で細胞培養を行ってきたため、固体基板からの影響が不可避であった。一方、本研究は、特定の固体基板の影響を全く受けることがなく、純生体物質からなる人工細胞外マトリックスによる細胞研究ができる。組織工学やメカノバイオロジーといった研究分野において革新的な研究系となる。人為的に制御できる人工細胞外マトリックスを意図的に作成し、他の物質から全く影響を受けることのない液―液界面において、細胞の進展制御や分化制御を行うという例を見ないものである。しかも、その人工細胞外マトリックスをダイナミックに制御し、Stem Cell などの挙動を人為的に制御できるような系を開発することを目的としている。細胞培養液(水溶液)とパーフルオロカーボン(油の一種)という混じりあわない二種類の液体の界面を幹細胞の培養・分化誘導の場とする技術の開発に成功した。この液体同士の界面では、培養液中に含まれるタンパク質と別途添加したフィブロネクチン(タンパク質)よりなるナノ薄膜が形成され、その上で培養した間葉系幹細胞は、分化誘導因子を加えなくても、自ら進んで神経細胞へと分化した。通常の細胞培養には、プラスチックなどの固体材料が用いられるため、そもそも液体の上で細胞を培養すること自体が斬新な発想ですが、実際に流動的な液体だからこそ、タンパク質薄膜にしなやかな特徴が備わり、それらが幹細胞の働きかける力に応じて変形・集積化して、効率的な神経細胞への分化を促していることを突き止めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
分化誘導試薬を用いずに Stem Cell を自発的に分化させることに成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
本課題の JSPS 研究はすでに終了しているが、外国人特別研究員と密に連絡を取り共同研究を進めていく。
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