研究課題/領域番号 |
19H00018
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1130:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 宮内庁書陵部 |
研究代表者 |
土屋 隆史 宮内庁, 書陵部陵墓課陵墓調査室, 研究員
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研究期間 (年度) |
2019
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
330千円 (直接経費: 330千円)
2019年度: 330千円 (直接経費: 330千円)
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キーワード | 三燕 / 胡籙金具 / 金工品 / 編年 / 伝播 / 古墳時代 |
研究成果の概要 |
本研究では、中国東北部の三燕(前燕〔337-370年〕、後燕〔384-407〕、北燕〔407-436〕)における胡籙(騎馬遊牧民の矢を入れる道具の一種)の金具に注目した。中国での資料調査を通して製作技術やモチーフにかんするデータを取得し、三燕における胡籙金具の地域的特徴や変化の方向性を見極めた。また、三燕の胡籙金具の影響を受けたと考えられる朝鮮半島南部の初期の事例には、三燕の胡籙金具の最も新しい時期の特徴がみられることを確認した。三燕と朝鮮半島南部との交流を示した文献資料はあまりみられないが、当時の東北アジア内での対外交流の在り方を示すものとして注目すべき成果であると考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
魏晋南北朝時代、日本列島の倭の五王をはじめ、朝鮮半島南部の百済、大加耶などは江南の六朝への朝貢を重ね、六朝に由来する遺物が日本列島、朝鮮半島南部へ多くもたらされた。その一方で、中国東北部に建国された国々と朝鮮半島南部・日本列島の交流は文献資料からはあまり読み取れず、考古遺物からみても中国東北部に由来すると認識できるものは少ない。その数少ない遺物が胡籙金具であり、文献資料に現れない当時の対外交流の実態が反映されていることを確認した。三燕との比較研究は、六朝と比べるとまだそれほど研究が蓄積されていないが、東北アジアという枠組みで古墳時代を捉えるための一つの論点になり得ると考える。
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