研究課題
奨励研究
本研究は、火山災害に関する生徒の防災リテラシー向上をねらいとした授業プログラムや教材の開発を目的として行った。伊豆大島で現地調査を行い、観察標本や無人航空機(ドローン)による映像教材を作成した。さらに3Dプリンタで作成した「火山立体地形モデル」や「描いて消して実験できる火山立体地形モデル」、「立体火山防災マップ」などを開発した。これらの教材を用いて、火山災害の深い理解とハザードマップに想定された災害の根拠について、生徒が主体的に学習することができる授業プログラムをデザインした。
本研究で開発した授業プログラムの特徴は、観察内容を根拠に、生徒自らが試行錯誤しながら災害を想定し、実験で検証できるようにしたことである。これにより、ハザードマップなどですでに想定された災害について知ることを中心とした学習から、ハザードマップで想定されている災害の根拠について考察する学習が可能となった。したがって、本授業プログラムは、自然災害に対して、その想定の有無にかかわらず、周囲の状況から判断して災害から身を守るための力を養うことに寄与すると考える。
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奈良教育大学附属中学校 研究紀要
巻: 48 ページ: 75-82