研究課題
奨励研究
学際カリキュラムにおける学習過程の可視化を試みた。その結果、フィールドワークなどの実践科目への取り組みが起点となり、学生の知的好奇心を誘発し、周辺の専門知識や技術の修得、さらには多様な学問分野、人、社会、自己のキャリアにも関連性を見出し、統合的視点を有しながら、理論科目と実践科目を主体的に往還し、学習経験を積み上げているといった、学生の学習過程が明らかとなった。
本研究の意義は、学際カリキュラムに学生の学習過程が明らかになったことである。さらに、拡張的学習理論を分析枠組みとして使用した結果、高次の学習および協働学習が行われる。このことは、エンゲストロームが、「拡張的学習の方法論は、包括的に示されるのではなく、概略についてのスケッチであり、包括的な説明は、具体的実証的な研究を結び合わされ補われることによって可能であり、将来の課題として残される」とした課題を1方向から実証したという点でも意義深い。