研究課題
奨励研究
加工実習での製作課題としてスターリングエンジンの製作を行っている。一般的にスターリングエンジンでの発電はフライホイール等の回転運動を利用するが、本研究ではピストンとほぼ水平に往復運動する機構に着目した。往復運動する軸に磁石を取付け、コイルの中を出し入れすることにより発電する発電装置を開発した。実習で製作しているスターリングエンジンでは厚さ4mmで直径が10~20mmのネオジウム磁石を使用した場合、銅線を1500巻き以上巻いたコイルであればLEDを点灯させることが可能であった。
本研究の特徴は一般的な回転運動ではなく往復運動を利用して発電することである。これはエンジンの出力を得るピストンから近い部分で発電することであり、機械的損失を少なくすることが可能である。教育的にはモーター(回転運動)で発電することは知られているが中学生や高校低学年ではモーターの中がまだブラックボックスである。コイルの中で磁石を往復させて発電することは中学生でも十分理解できる内容であり、この発電装置を利用した方がより教育的効果が高い。