メタボロミクスは代謝物を網羅的に測定でき、今現在の生体内の状態を把握するのに最適な技術である。生体内には微量の生理機能を担う分子や生理状態を反映する分子が多く存在し、バイオマーカーを探索する対象は、疾患の種類や部位により、ヒトの体液(血液、尿、唾液など)・臓器・組織と数多く存在する。検体の種類により含まれる代謝物の濃度が異なるため、同一の前処理方法では微量成分を見逃してしまう可能性がある。今回の研究成果においては従来の測定方法では検出されなかった微量代謝物の測定が可能となった。このことは疾患だけでなく様々なメタボローム研究に活用でき、同分野の研究に対する波及効果は極めて大きいと期待される。
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