研究課題
奨励研究
睡眠薬は、強姦等の性犯罪・殺人等で悪用されることが多く、被害者を対象とした睡眠薬分析が、犯罪立件への強固な客観的証拠となる。特に、このような事案の鑑定においては、睡眠薬の検出に加えて、摂取時期や摂取量の特定が重要となる。本研究では、「薬物摂取量」の推定法について検証した。その結果、「薬物摂取量」と「頭皮近接部位から取り込まれた薬物量」は良好な比例関係を示しており、概ねの薬物摂取量を推定できることが示された。
毛髪鑑定は、性犯罪などの事案で被害申告が遅れたケースにおいて、薬物の摂取を立証できる唯一の手段として考えられている。2012年から取り組んできた研究の成果により、現在では、被害者が睡眠薬を飲まされたこと及びその摂取時期を証明することができるようになり、捜査の進展や犯罪事実の立証に貢献しているところである。さらに、本研究の成果によって、飲まされた薬物量を推定することが可能になったため、睡眠作用を発現する量を摂取したか否か等、より強固に性犯罪を立証することができると考えられる。
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YAKUGAKU ZASSHI
巻: 139 ページ: 705-713
130007641088