癌サバイバーにおける癌治療に関連した心血管臓器合併症が大きな問題となりつつある。抗癌剤治療に関連する心血管臓器合併症の予防につながる治療戦略を確立することを目的とし、大規模医療データベースを用いて心血管臓器副作用の発症リスクを低下させる薬物の抽出を行い、基礎解析を行った。培養血管細胞および心筋細胞を用いて抗癌剤による細胞死を候補薬物が抑制できるかスクリーニング作業を行い、現在、心毒性モデルマウスにこれら薬物を投与し、その有効性の確認を行っている。本研究によって、医療データベースと基礎研究を組み合わせることで、効率的に心血管臓器合併症を予防する薬剤のドラッグ・リポジショニングが可能になると考えられる。
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