バイオテロ等のリシンが関係している事件・事故が発生した場合、捜査機関や医療機関では迅速な組織的対応・治療方針の決定が求められることから、早期に物質を同定する必要がある。 主なリシン検出法としては、抗体キットや毒素検出チップを用いる方法等が報告されているが、抗体キットは有効保証期限が短いことから多くの検査機関は常備しておらず、毒素検出チップやその検出器も保有していない。今回検討を行った逆転写リアルタイムPCR法によるリシンmRNA検出法は、設計したプライマーを合成すれば、その他の試薬や装置は多くの検査機関が通常の業務で使用しているものを利用可能であることから、持続的に運用可能な検査法と考えられる。
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