デノスマブは、がんの骨転移に使用される薬剤であり、タンパク質から成る抗体を利用した薬剤である。抗体医薬の体内動態は従来型の低分子薬とは異なる特徴を有しており、その挙動を理解するためには、抗体医薬の性質に即したアプローチが必要である。本研究では、抗体医薬がヒト体内で結合するRANKLという分子、およびRANKLに関連するOPGという分子に着目し、デノスマブの体内動態および有害事象について検討した。 RANKLおよびOPGの血清中濃度と、デノスマブの体内動態との関係を見出すことはできなかった。しかしながら、RANKLやOPGの血清中濃度には大きな個人間差が認められたことから、これらの分子と病態との関連について、さらなる検討の余地がある。
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