研究課題
奨励研究
カペシタビン療法(1コース : 2週投与1週休薬)を受ける外来患者を対象とし、カペシタビン開始前、1コース終了毎に手足の角質水分量を携帯型肌水分計で測定し、その経時的推移と手足症候群重症度の関係を調査した。その結果、手足症候群の発現率は71.4%であり、初回と2コース終了時の角質水分量の差を手足症候群重症別に比較したところ、足底および踵の角質水分変化量と手足症候群重症度には負の相関が認められた。このことから、HFSが重症化すると、足裏の角質水分量は低下する傾向が示唆された。
HFSの重症度と足裏の角質水分量低下との相関関係が示唆された。このことから患者の水分量に応じて最適な保湿剤を選択するなど、患者個々の保湿対策が実践できるようになり、手足症候群の重症化回避も期待できる。また、本研究で使用する携帯肌水分計は、肌に軽く押し当てることで測定でき患者への侵襲性が極めて低い。また高価な設備を必要としないため、安全性と経済性の観点から他施設においても実践可能である。