研究課題/領域番号 |
19H00366
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
嶋田 沙織 筑波大学附属病院, 薬剤部, 薬剤主任
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研究期間 (年度) |
2019
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
2019年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 抑肝散 / 偽アルドステロン症 / 低アルブミン血症 |
研究成果の概要 |
抑肝散は近年使用量が増えた漢方薬である。主に認知症患者の周辺症状改善を目的に投与されてきたが、最近では周術期のせん妄予防にも投与される。抑肝散の副作用として低カリウム(K)血症が知られており、そのリスク因子として低アルブミン(Alb)血症がある。周術期は低Alb血症を伴う場合が多いことから、周術期症例を含む抑肝散投与患者を調査し、低K血症の発症に及ぼす影響を明らかにした。その結果、抑肝散の周術期投与が、認知症への投与よりも低K血症のリスクが高まることが示唆された。特に周術期のせん妄予防を目的に抑肝散を女性患者に投与する場合、Alb値に応じて減量を考慮する必要があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化に伴う認知症患者の増加により、今後も抑肝散の処方頻度は高まると予想される。さらに、近年では周術期のせん妄予防に抑肝散を投与する機会も増えている。一方で漢方薬の安全性を過信し、抑肝散を漫然と投与して低K血症が重篤化する例は後を絶たない。今回、周術期症例を含めて抑肝散の低K血症の発症に及ぼす影響を検討した結果、周術期の投与では低K血症の発症リスクが高まることが示唆された。低K血症を発症しやすい患者を特定できることは、抑肝散の適正使用につながると考えられる。
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