本研究ではIFOの代謝に関わる薬物代謝酵素の一塩基多型(SNP)が脳症発症に関与するという仮説から8種類のSNPについて遺伝子解析を行ったが、いずれのSNPにおいても脳症発症に関する有意差は認められなかった。 今回解析対象とした患者背景について調査したところ、IFOと白金製剤の同時投与が脳症発症のリスク因子であることが判明した。さらに脳症発症時の臨床検査データでは肝機能障害、腎機能障害および電解質異常が認められた。IFOを含む化学療法レジメン中の臨床検査データの変化を注意深く観察していくことで、脳症発症の早期発見につながる可能性があることを報告した。
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