臨床検査領域では、検体の性状がもたらす測定誤差は重要な課題である。検体の様々な性状異常のうちのなかでも、乳びは頻度が多く、生化学/血液/凝固検査における偽低値・偽高値をもたらすことが知られている。通常、乳び処理には超遠心が推奨されるが機器が高額なため、対応可能な施設は少ない。また市販の混濁血清処理剤はフロンを含有するため実用的でない。検体測定の精度を向上させるためには、乳び検体処理の代替法の開発が急務である。本研究の成果により中性脂肪を分解するLPLの有効性が明らかになり、乳び検体を簡便に処理でき、高精度かつ再現性の高い測定値を得ることができる可能性が示唆された。
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