本研究では、3Dプリンターを利用することで、新しい不均質ファントムを作成し、放射線治療における線量測定精度を改善することを試みた。新ファントムの検証項目として、従来型ファントムの課題である方向依存性の確認を行った。また、更なる適応拡大のための初期検討として、様々な材質で実用レベルの造形が可能かを検証した。結果、方向依存性は実用可能レベルで小さく、プリント可能な材質としては、アクリル樹脂、シリコンゴムなど、硬度や、弾性が様々な材質でも作成可能であることを確認した。これにより、人体の他部位に応用可能になり、静態ファントムとしてだけではなく、動態ファントムとしての可能性も見出すことができた。
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