研究成果の概要 |
装着型動作支援ロボットであるロボットスーツHAL(以下HAL, CYBERDYNE社製)は, 装着者の意図に合わせて随意運動を支援する機構を有する。本研究は, 運動機能障害を有する小児を対象とし, HALを用いたロボットトレーニングの効果について検討した。まず, HALを装着したトレーニングを各例1回実施し, 安全性を確認した。続いて, 12回の継続したトレーニングを実施した。トレーニング後の歩行機能, 歩行持久性, 運動機能, 主観的評価に改善を認めた。本研究より, 運動機能障害を有する小児におけるロボットレーニングの有効性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は, 社会的弱者である障害児に焦点を当て, なおかつ, 最先端技術であるロボットレーニングの臨床応用を試みた点で社会的意義は高いと思われる。生来の障害のため, 正常な運動発達を知らない障害児においても, 装着型ロボットにより正常な運動方向を伴った動作を反復することが可能となる。この汎化により脳の可塑性が賦活され, 新たな神経伝達が強固になることで, 運動機能の改善が得られたと考えられる。
|