高位頸髄損傷患者においては、主要な呼吸筋である横隔膜が頸髄に存在する横隔膜運動ニューロンに支配されているため、横隔膜の運動機能が障害を受ける。しかしながら、横隔膜機能が徐々に回復する症例を多く認める。それは残存する脊髄下行路の可塑的変化で横隔膜運動ニューロンにシナプス入力が回復していることも一因として考えられているが、その回復メカニズムは明らかになっていない。本研究の成果は高位頸髄損傷後の横隔膜運動機能の回復は正常に近い形で回復していくことを明らかにしており、頸髄損傷後の呼吸リハビリテーションおける機能回復やトレーニング手段を考えていく上で非常に重要な知見となりうる。
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