研究課題/領域番号 |
19H00549
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渋谷 綾子 東京大学, 史料編纂所, 特任助教 (80593657)
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研究分担者 |
石川 隆二 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (90202978)
高島 晶彦 東京大学, 史料編纂所, 技術専門職員 (10422437)
後藤 真 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90507138)
天野 真志 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60583317)
野村 朋弘 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (00568892)
尾上 陽介 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00242157)
小倉 慈司 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (20581101)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,110千円 (直接経費: 34,700千円、間接経費: 10,410千円)
2022年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2019年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | 国際古文書料紙学 / 料紙 / 科学研究方法の国際標準化 / 研究データ共有管理システム / 科学研究コミュニティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,古文書などの料紙の科学研究方法の標準化,科学研究データの共有管理システム構築,研究データ共有管理システムを用いた科学研究コミュニティの形成,という3つを実施,「国際古文書料紙学」の確立を行う。科学研究方法の標準化は,古文書の分類と料紙の構成物との対象比較による料紙の質的解析,製紙材料のDNA分析の結果を検討することにより達成される。研究データ共有管理システム構築は,データの標準化を実践,国際標準の機能に対応した情報基盤を構築する。さらに,各所属機関のデータベースや情報基盤と連携,研究成果と接続し公開することにより,「オープンサイエンスの時代に合わせた料紙の国際標準基盤」を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究は,原材料の紙材質という観点から,古文書の歴史研究を多面的かつ総合的に進展させ,国際的な学問として「古文書料紙学」へ進化を果たすための実践モデルである。古文書料紙の繊維素材・添加物の分析,植物学的特徴やゲノム情報をベースとした紙の成分特定を進め,科学研究方法の標準化や研究データ共有管理システムの構築などを行った。主な成果は,①料紙の生産・流通や地域的特性,歴史的変遷を探るための科学分析の方法論を確立したこと,②現生の植物ゲノム情報から,料紙素材の地域的特性に関する手がかりを取り出したこと,③顕微鏡画像管理ツールの開発,情報基盤との研究データの共有化・連結化を試行したことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,古文書料紙の生産・流通や地域的特性,歴史的変遷を探るための科学分析の方法論を確立し,現生の植物ゲノム情報から料紙素材の地域的特性に関する手がかりを取り出すとともに,顕微鏡画像管理ツールの開発,情報基盤との研究データの共有化・連結化を試行した。これらの成果は,古文書の科学研究への理解醸成を進める点で学術的意義がある。さらに,調査・分析の基礎的な情報を紹介した史料調査ハンドブック,および自然科学的な観点を導入した古文書研究入門の書籍を作成・出版した。これらは,紙を素材とする歴史資料の修理・保存,災害対策の実践的な技術提供につながる成果発信・普及であり,本研究成果の社会的意義といえる。
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