研究課題/領域番号 |
19H00554
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
外川 昌彦 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70325207)
|
研究分担者 |
村山 真弓 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 理事 (10450454)
杉江 あい 京都大学, 文学研究科, 講師 (10786023)
西井 凉子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20262214)
中谷 哲弥 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (50285384)
日下部 尚徳 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 准教授 (60636976)
石坂 貴美 関東学院大学, 経済学部, 准教授 (60804606)
置田 清和 上智大学, 国際教養学部, 准教授 (70708627)
藤田 幸一 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80272441)
山根 聡 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80283836)
池田 昭光 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (10725865)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
44,200千円 (直接経費: 34,000千円、間接経費: 10,200千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2019年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
|
キーワード | 南アジア / 社会変動 / イスラーム化 / ムスリム / インド / バングラデシュ / 経済成長 / 文化変容 / パキスタン / 地域研究 / 多極化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、南アジアのムスリム社会におけるイスラーム主義運動の台頭やイスラーム・ツーリズムの拡大などの多様な傾向を、急速な経済成長を続ける南アジアの地域社会の変動を通して検証し、イスラーム化の新たな動向を明らかにすることを目的とする。学際的な南アジアの地域研究者を組織し、イスラーム主義運動や宗教の消費社会化などの近年のイスラーム運動をめぐる多極化の傾向を、バングラデシュなどの地域社会の事例を取り上げることで、南アジアのムスリム社会の多極化の傾向を分析し、現代の社会変動との相互関係を検証する。
|
研究実績の概要 |
本共同研究課題は、南アジアの多極的なムスリム社会の動向を、経済成長下のバングラデシュの社会変動を通して検証することを目的とし、プロジェクトの4年目にあたる2022年度には、新型コロナウイルスの拡大防止に対応しつつ、オンランを中心とした、セミナーと現地拠点を通した現地研究者によるプロジェクトの実施を行った。具体的には、2回の国内研究会と5回の国際セミナー、6名の現地研究者による現地調査プロジェクトを実施した。 5月14日の国内研究会では、各分担者による進捗状況の報告を含めた研究会の打ち合わせを行い、その後、報告の部では、研究代表者の外川が、バングラデシュの農村社会の変容について、チョットグラム県ゴヒラ村の事例に基づいて報告し、奈良県立大学の中谷哲弥氏は、経済成長下のバングラデシュについて、特に観光行動の特徴とイスラミック・ツーリズムの展開について報告を行った。 国外研究会としては、アメリカ、カナダ、マレーシア、インド、イギリス、日本の研究者を、現地拠点を通してオンラインで結んだ連続国際セミナー「南アジアの世俗化・イスラーム化・グローバル化-バングラデシュの二極政治を越えて」を実施した。この連続セミナーは、7月9日、8月21日、9月30日、12月23日、2月17日の5回を数えた。 3月13日の国内研究会では、京都大学の杉江あい氏が報告を行い、特に人文地理学の観点から、政治生態学的アプローチの展開について、タンガイル県の農村社会の変化の事例に基づいて報告した。その後、全体で、成果報告集の取りまとめに向けた研究打ち合わせを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況として、予定していた研究会は、国内、国外の研究会については、オンラインを使った国際セミナーを積極的に組織する事で、合計7回を数え、おおむね順調に進展した。これまでの 報告者の内訳は、のべ16名の報告者と、13名のディスカッサントなどの登壇者を数え、多数の参加者を得た。このうち9月30日のセミナーは、国際ベンガルフォーラムとの共催で実施された。新型コロナウィルス感染症の拡大防止策として延期となっていた調査計画については、8月以降、徐々に再開を見るようになったが、なお、出入国などには大きな制限が残された点は、今後の進捗状況に関わる懸念事項となっている。現地研究者を組織した調査プロジェクトは順調に進展しており、その成果については、来年度以降に、順次、とりまとめ、公開を進めてゆく予定である。 以上から、来年度に向けた懸念事項は指摘されるが、本年度の研究の進捗状況については、おおむね順調に進展したと考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方法については、新型コロナウィルス感染症問題の余波を受けて、実施の見直しを迫られた研究計画についての、現地社会の情勢を踏まえた計画の再検討と、再開・実施である。 具体的には、2020-21年度中に実施が予定されながら、そのまま延期となっていた内外の学術大会での報告や企画セッションの実施が検討されている。これについては、現在、日本宗教学会での公開パネルや、インド・デリー大学で開催が予定されている国際人類学会(IUAES)での企画パネルなど、関連学会での成果の報告を検討しており、その準備会合を含めた計画を予定している。 また、現地拠点を通した現地調査プロジェクトや研究会の開催については、現地の社会情勢や海外渡航の状況を注視しつつ、引き続き対応を進める予定である。特に、日本人研究者による現地調査に関しては、現地での受け入れ状況や、2024年1月に予定されている、バングラデシュでは5年ぶりとなる総選挙の実施などの現地社会の政治情勢を踏まえながら、対応を検討する予定である。
|