研究課題/領域番号 |
19H00576
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 栄一 東北大学, 教育学研究科, 教授 (50370078)
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研究分担者 |
久保 慶明 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00619687)
秦 正樹 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (10792567)
柳 至 立命館大学, 法学部, 准教授 (20647341)
北村 亘 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (40299061)
伊藤 正次 東京都立大学, 法学政治学研究科, 教授 (40347258)
砂原 庸介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40549680)
本田 哲也 金沢大学, 法学系, 准教授 (40800016)
村上 裕一 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (50647039)
河合 晃一 金沢大学, 法学系, 准教授 (50746550)
曽我 謙悟 京都大学, 法学研究科, 教授 (60261947)
手塚 洋輔 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60376671)
原田 久 立教大学, 法学部, 教授 (70275460)
大谷 基道 獨協大学, 法学部, 教授 (80705939)
山田 健 静岡大学, 人文社会科学部, 講師 (80906694)
小林 悠太 広島大学, 人間社会科学研究科(社)東千田, 准教授 (30824263)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
43,550千円 (直接経費: 33,500千円、間接経費: 10,050千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2019年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 官僚制 / サーベイ / オーラルヒストリー / 社会化 / 機関哲学 / PSM |
研究開始時の研究の概要 |
官僚がいつ、どのようにして所属する省庁の官僚らしさを身につけるのか、を研究課題とする。そのメカニズム解明のため、研究期間全体にわたり、大きく2つの研究方法を用いる。第1に、官僚個人を対象とするアンケート調査であり、可能であれば研究期間中に複数回行う。第2に、官僚が職業生活を振り返る口述記録(オーラルヒストリー)を量的分析が可能な状態に加工し分析する。
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研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究の成果は大きく3点ある。 (1)第1に、最も重要なものは、2023年6月に官僚に対する大規模サーベイ(以下、職員サーベイ)を無事に実施し基礎集計結果が得られたことである。なお、集計結果は2024年度前半に公表予定である。この成果は、単体としても十分な意義があるが、2019年度に実施した同様のサーベイのデータセットとマージすることでさらに重要性が増す。 (2)第2に、大学在学中の学生に対して就職先としての国家公務員についての意識調査を実施した(以下、学生サーベイ)。2023年6月から11月にかけて、公務員志望であるか否かを問わず、進路未決定の大学生に対して進路選択に関する学生意識調査を行った。本調査は、どのような学生が公務職場を自らの進路として希望し、どのような要素が学生を公務職場に引き付けているかを把握するために行ったものである。完全回答者数は2,903人であった。このサーベイの意義は公務員志望者に限定せずに実施し、公務員志望者とそうでない学生との比較分析ができる点にある。 (3)第3に、オーラルヒストリー班では、ある事務次官経験者に対して、計6回、各二時間程度のインタビューを行った。具体的には、入省から事務次官までに就いた代表的な職位(出向先を含む)ごとに、異動の経緯、担当した業務、業務遂行にあたって関わった同僚・上司の各項目について聞き取りを行い、インタビュー結果をテキスト・データ化した。このオーラルヒストリーの意義は、ここ最近実施されてこなかった事務次官経験者への本格的な調査を行った点にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)職員サーベイについては、国会の解散といった不確定要素があり、いかなる時期においてもその実施には不確実性が伴う。そのようななかで各省人事担当課への丁寧な説明を行うことで、実査に漕ぎ着けることができた。さらに、これまでの類似のサーベイと比較して高い3割を超える回収率を得ることができた。回収率を高めるため前回のウェブ調査から郵送調査への転換を行った。 (2)学生サーベイについては、昨年度に洗い出した実査上の留意点を克服することで、想定したサンプルサイズを得ることができた。そのために研究分担者の所属大学にくわえて、行政学・政治学の研究者に対して広く協力を求めた。その際、調査の趣旨が十分に伝わるように説明文書を作成した。 (3)オーラルヒストリーについては、ほぼ当初の想定通りに実施し、当初想定した質問に対する回答をおおむね得ることができた。調査対象者の経歴を詳細に整理するとともに、調査対象者に関する文献を渉猟し、ご本人にも共有することで、相互理解を深めるとともに、調査主体への信頼を深める工夫を行った。
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今後の研究の推進方策 |
(1)職員サーベイについては、基礎集計結果の公表を行う。さらに、構築したデータセットをもとに、分担者から分析アイデアを募るとともに、分析の分担を決め、本格的な分析へと進む。2019年に実施された同種のサーベイとの比較分析も検討する。さらに、将来的な同種のサーベイ実施の可能性を高めるための検討を行う。具体的には、調査方法(ウェブ調査か郵送調査か等)、質問紙の内容(ワークライフバランスに関する質問項目の増減等)、調査対象となる省(これまでの2回のサーベイでは同じ6省を実施した)の再検討(追加するかどうか)、調査対象となる職位(前回は基本的に課長級以上、今回は企画官・室長級以上の悉皆)の拡大の検討を行う。 (2)学生サーベイについては、内外の関連調査を参照しながら、本格的な分析に進む。具体的には、どのような学生が公務職場を自らの進路として希望しているかを明らかにするために、人口統計学的属性や社会に対する意識・性格に着目をした分析を行う。また、学生を公務職場に引き付ける要素を明らかにするためにサーベイ実験の結果を用いた分析を行う。さらに、第二波調査の実施についても検討を進めて、実施可能な場合には調査を始める。 (3)オーラルヒストリーについては、2024年度には、調査対象者と協議の上、これまで文書化した複数回の口述記録を一貫性のあるひとまとまりの口述記録に編集する。その上で、調査対象者に当該口述記録への加筆・修正を依頼し、冊子体にとりまとめる。なお、当該冊子体は調査対象者との取り決めにより当座は非公開とする。
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