研究課題/領域番号 |
19H00580
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小杉 泰 立命館大学, 立命館アジア・日本研究機構, 教授 (50170254)
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研究分担者 |
見市 建 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (10457749)
森 伸生 拓殖大学, 付置研究所, イスラーム研究所長 (20349202)
長岡 慎介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20611198)
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70434701)
山根 聡 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80283836)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
37,570千円 (直接経費: 28,900千円、間接経費: 8,670千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | イスラーム法源学 / イスラーム政治 / イスラーム経済 / ハラール食品産業 / 穏健派と過激派 / イスラーム食品産業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、今日のイスラーム世界において穏健派が過激派を制することができるか否かが大きな課題となっている現状と、穏健派が主流をなす国々でイスラーム法(シャリーア)の基礎である法源学が復権していることを踏まえて、イスラーム法源学を体系的に整理し、過激派の解釈の恣意性を明らかにし、法源学を軸とする主流派と過激派の対立を分析すると共に、特に重要な4分野として「政治と暴力」「イスラーム経済」「ハラール食品産業」「性倫理と服装規定」について調査と分析をおこなって、イスラーム法の固有の論理に関する新しい知見を集積し、さらに現代イスラーム社会の懸案となっている諸問題を解明する研究である。
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研究実績の概要 |
第4年度にあたる令和4年度の研究実績は、以下の通りである。 (1)研究に必要な原典・文献の収集については、第1~3年度の実績を基にして増強した集書リストを作成し、集書年次計画の第4年目の計画を実施した。(2)収集された文献、特にアラビア語原典を用いて、イスラーム法源学の専門用語(典拠とその解釈を含む)の収集をいっそう推進し、「イスラーム法源学データベース」の構築を進めた。またデータベース用の年表・地理・人物・事件データの収集を進め、また法源学の専門用語については、用語集として刊行する準備を進め、4分冊について実際の刊行に向けた編集作業に着手している。(3)サラフィー主義の継続的な討議をおこない、エジプト、シリア、アラビア半島における現代サラフィー主義について、思想およびネットワークの解析を進めた。(4)重要4分野について、「政治と暴力」「イスラーム経済」「ハラール食品産業」「性倫理と服装規定」の研究会と作業部会を実施して、成果発信の一環としての学術書(市販書)の企画についてメンバー間での討議を継続し、最終年度において取りまとめをおこなう準備が整った。(5)全体的な成果発信としては、本年度は国際研究集会1つを共催し、国際会議の1つにセッション参加し、国内の公開シンポジウムを1つ実施し、研究代表者・分担者が個別に国内外の学会および研究集会で、国際学会報告6本、招待講演5本を含む16本の成果発表をおこなった。また、海外での出版3冊を含む図書8冊に成果を盛り込んだほか、査読論文4本を含む14本の論考を公刊した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究はおおむね順調に進展している。具体的には、次の通りである。 昨年度は、第4年度として、原典資料・文献の収集を継続する中で、法源学とイスラーム法の諸分野の展開や政治・経済の動向に関する最新の資料を入手できた。研究活動においては、イスラーム法源学とサラフィー主義をめぐる文献講読を集中的におこなったほか、重要4分野「政治と暴力」「イスラーム経済」「ハラール食品産業」「性倫理と服装規定」について、イスラーム世界の最新動向の把握に努めた。「イスラーム法源学データベース」のデータ収集や年表資料の制作も着実に継続した。データと研究成果の可視化をめざして、「立体タイムライン地域情報マップ」などによる「研究DX(デジタルトランスフォーメーション)」の深化に努めた。コロナ禍のためにフィールドワークがほぼ実施できない状況が続いたが、国際研究集会(オンライン)や論文投稿などの成果発表はきちんと継続することができた。DXの一環として、国際的な研究者ネットワークに依拠しながら、オンライン集会の手法を用いてグローバルな意見交換をおこなう仕組みは常態化している。さらに、研究成果の市販本刊行の計画を、メンバー間のじっくりした討議でバージョンアップすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、本研究プロジェクトの第5年度(最終年度)として、これまで4年間の活動と成果を総合し、最終的な成果発信の計画を立案して、次のように研究を実施する――(1)研究に必要な原典資料については補足的な収集をおこない、海外での研究文献については本研究の成果発表に関わるような最新の研究書・論文のチェックをおこなう。特に、政治・経済の新動向についてはその把握と研究の最終的な深化に努め、「イスラーム法研究会」などでイスラーム法源学とサラフィー主義の研究成果のとりまとめ作業をおこなう。(2)「イスラーム法源学データベース」については構築作業を継続して、データ入力を進め、成果発信の一環としてデータ可視化とアウトプット生産の計画を立案・実施する。(3)「イスラーム政治研究会」「イスラーム経済・ハラール産業研究会」などを通じた重要4分野の研究成果のとりまとめをおこない、具体的な成果発信についてメンバー間で企画立案を進める。(4)得られた成果を可能な限り広く、国内外の研究集会や社会還元のための一般向けのセミナーなど等で発信し、また、研究成果の学術書(市販書)公刊へ向けて編集作業を進める。学会発表、論文投稿等については、これまでの各年度以上に注力する。また、本研究プロジェクト完了後の成果発信についてもメンバー間で協議し、適切な計画を立案する。
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