研究課題/領域番号 |
19H00592
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 武蔵大学 (2023) 一橋大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
神林 龍 武蔵大学, 経済学部, 教授 (40326004)
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研究分担者 |
照山 博司 京都大学, 経済研究所, 教授 (30227532)
玄田 有史 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (90245366)
大山 睦 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20598825)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,330千円 (直接経費: 34,100千円、間接経費: 10,230千円)
2023年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2022年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2021年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 自営業 / マネジメント / プラットフォーム / 開業 / 雇用仲介 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本における自営業セクターの衰退について、その原因と結果を労働市場との関連から考察することを目的とする。まず、(A)先行研究と既存統計調査に基づき、自営業者の実態を非正社員の増加や地域特性に注目しながら総合的に把握する。次に、独立開業行動の停滞を取り上げ、(B1)組織マネジメントのあり方、(B2)プラットフォームの役割という二つの観点から、(A)で得られた知見を加味しつつ詳細に分析する。(B1)については、開業事業所のパネル調査を三か年行う。(B2)については、マッチングを通じて成立す事業者ネットワークを「組織」とみなし、仲介のネットワーク形成への影響を考察する。
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研究実績の概要 |
神林教授および大山教授で担当している令和4(2022)年度以降に予定されている開業時から3年間の経営指標のパネルデータ化について、諸方面と交渉を重ねたところ、最終的に調査会社が保有している新設法人に関する名簿を利用することとなった。ただし、この名簿は登記情報から構成されているため、調査時点で登記簿上の連絡先を維持しているか、あるいは事業を継続しているかは明らかではない。名簿情報をそのまま利用して調査をかけた場合の回収率が極度に低下することが予想されることから、本調査前に、その調査時点で事業が継続しているか、連絡先の変更がないか、本調査に協力依頼ができるかを問う予備調査を行い、数千社からの否定的ではない回答が得られた。 また、主に玄田教授および照山教授、神林教授が担当している政府統計を用いた分析も引き続き進行させた。ただし、研究協力者の来日はコロナ禍で実現しなかった。また、玄田教授および照山教授は、コロナ感染下での多くが自営業からなるフリーランスの継続・発展の要因を労働政策研究・研修機構が緊急実施したパネル調査を用いて実証分析し、その内容を公表した。あわせてリクルートワークス研究所による全国就業実態パネル調査を実証分析し、2020年前後の自営業を含む働き方の変化とその背景を実証分析し、その内容を共編著として成果発信した。 神林教授が主に担当している職業紹介データを用いた分析も進め、提示賃金の応募や採用への弾力性の計測について計算結果が出ており、論文の形に直す作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
『就業構造基本調査』『労働力調査』を用いた分析は、神林教授・照山教授・玄田教授が中心となり、技術補佐員に助力を仰ぐほか、米国の研究協力者を日本に招聘し、共同で分析を進める予定だったが、新型コロナウィルス感染症の世界的流行により、研究代表者・分担者・技術補佐員がデータを利用できる研究室に移動する機会が制限され、研究協力者の来日は延期され、進める予定の分析が遅れている。また、新規開業パネル調査はやはりコロナ禍の調査環境の悪化から調査開始が1年遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、総務省『就業構造基本調査』『労働力調査』を用いた自営業セクターの担い手に関する研究を続行する。場合によっては、総務省『国勢調査』『社会生活基本調査』厚生労働省『国民生活基礎調査』などの大規模世帯調査と、厚生労働省『中高年者縦断調査』『21世紀成年者縦断調査』『21世紀出生児縦断調査』などの縦断調査についても統計法に基づく目的外利用申請を考慮する。同時に、事業環境を整理するために、総務省『経済センサス』経済産業省『企業活動基本調査』厚生労働省『賃金構造基本統計調査』『雇用動向調査』『労使コミュニケーション調査』などの事業所調査についても統計法に基づき利用申請する。この領域は、神林教授、玄田教授および照山教授が担当し、引き続き、研究協力者として在米の労働経済学研究者2名を日本に招聘し、協力をあおぐ。研究協力者は、2023年度に研究代表者の前任校である一橋大学経済研究所特任教授または一橋大学経済研究所客員研究員として招聘予定である。また、技術補佐員を2名追加で雇用し分析の一部の助力をあおぐ。また、新規開業時の組織マネジメントの特徴と、その後の短期的な成長を把握するために、本年度より年間600万円程度の費用をかけJP-MOPSを参照した事業所レベルでのパネル調査を実施する。予備調査による名簿整備ののち、冬頃の実査を予定している。なお、この領域は、神林教授のほか、JP-MOPSの実施においてリーダーシップをとっている大山教授が担当する。同時に、職業紹介についての分析を論文の形にまとめる。
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