研究課題/領域番号 |
19H00601
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
守口 剛 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70298066)
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研究分担者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
外川 拓 上智大学, 経済学部, 准教授 (10636848)
須永 努 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (20438914)
阿部 周造 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 名誉教授 (30060015)
奥瀬 喜之 専修大学, 商学部, 教授 (30312440)
八島 明朗 専修大学, 商学部, 准教授 (30583223)
朴 宰佑 中央大学, 商学部, 教授 (50401675)
石井 裕明 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (50548716)
平木 いくみ 東京国際大学, 商学部, 教授 (60367026)
恩藏 直人 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70194652)
阿部 誠 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (70302677)
石田 大典 同志社大学, 商学部, 准教授 (80507872)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
41,600千円 (直接経費: 32,000千円、間接経費: 9,600千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2019年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 知覚バイアス / 消費者行動 / 感覚マーケティング / ナッジ / 身体化認知 / クロスモーダル / 感覚間相互作用 / 商品陳列 / 処理流暢性 |
研究開始時の研究の概要 |
行動経済学、行動意思決定論などの研究領域において、人の判断や行動に影響するバイアスに関する研究が活発に行われてきた。これらの研究の多くは、人が受け取った情報をもとにして判断や意思決定を行うという認知過程で発生する、認知バイアスに焦点を当ててきた。これに対して本研究では、人が刺激に接し、それを知覚する過程で生じる知覚バイアスを扱う。例えば、同じものを飲んでも、グラスの硬さや触感によって味覚が変わるという現象は、知覚過程で生じるバイアスである。消費者行動における知覚バイアスの影響を体系的に整理するために、本研究ではラボ実験、フィール実験などを用いて、頑健な研究成果を獲得することを目指している。
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研究実績の概要 |
嗅覚刺激を用いた実験を実施する際には、実験参加者にマスクを外して香りを嗅いでもらう必要があることから、新型コロナの影響で実験を延期してきた。22年度になって、実験環境について十分に配慮した上であれば実験を実施できると判断し、嗅覚刺激が消費者の感情に与える影響に関する予備実験を実施した。研究協力機関である長谷川香料株式会社の協力を得て、グレープフルーツ、ジャスミン、ペパーミントなど13種類の香りを用いて、これらの香りを嗅いだ時の実験参加者の感情への影響を捕捉した。さらに、それらの香りが特定の店舗に流れていると想定したときの、香りと店舗の整合性について判定してもらった。これらの結果から、香りが感情に影響し、それが製品購買時の意思決定に影響するというメカニズムに関する仮説を構築した。この仮説のもとで本実験を計画している過程で、我々が導出した仮説と既存研究の結果との間に一部整合的ではない部分があることが判明し、既存研究の解釈の仕方について香りの専門家も含めた議論が必要となった。そのため、本実験の実施を来年度初めに延期した。このことと関連し、BI Norwegian Business SchoolのCarlos Velasco氏を研究会に招聘し、感覚刺激を用いて消費者実験の方法について議論を行った。 本年度は、上記の嗅覚刺激に関する研究に加えて、広告の配色に関する実験を実施した。この研究では広告が対象とする製品の色が複数ある場合の色の配列について、類似配色と補色配色の2つの方法を比較し、それぞれの利点と欠点を実験結果を踏まえて整理した。この整理からも、視覚刺激の構成要素の中でも色の影響は非常に大きいと考えられ、次年度以降も配色に関する研究を深めていくべく計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述したように、新型コロナ流行下では嗅覚刺激の実験実施が困難であったため、22年度になってようやく予備実験の実施が可能となった。他の調査、実験についても対面で実施するものについては人数や方法に関する制限があった。22年度にはこれらの制限が緩和されてきたが、これまでの遅れをすべて回復するまでには至っておらず、全体的にみた進捗状況は、当初計画に比してやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
22年度に実施してきた調査、実験については、当初の想定通りの結果が得られており、今後はこのテーマに関する研究を推進することで研究の活性化を図っていく。嗅覚刺激に焦点を当てた研究についても、対面での調査、実験が可能となったことを受け、嗅覚刺激単独および他の感覚刺激との相互作用に関する研究についても、今後活性化していく予定である。
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