研究課題/領域番号 |
19H00614
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
成 元哲 中京大学, 現代社会学部, 教授 (20319221)
|
研究分担者 |
三上 直之 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (00422014)
牛島 佳代 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (10336191)
松谷 満 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (30398028)
高木 竜輔 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (30512157)
松井 克浩 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (50238929)
阪口 祐介 関西大学, 総合情報学部, 教授 (50589190)
除本 理史 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (60317906)
長澤 壮平 中京大学, 文化科学研究所, 研究員 (70535327)
藤川 賢 明治学院大学, 社会学部, 教授 (80308072)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
45,370千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 10,470千円)
2022年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2021年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2019年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
|
キーワード | 原発事故後の生活変化 / 健康影響 / 分断修復 / 介入研究 / 対話の場 / 語り合いの場ふくしま / 福島における分断修復学の創成 / パネル調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、福島原発事故後の家族、地域、全体社会における分断構造を明らかにし、それを修復するアプローチを分断修復学として創成しようとするものである。これまで8年間実施してきた社会調査を継続し、原発事故の実態解明を行う。原発事故後の困難な時期をどのように乗り越えてきたのかを「親子をつなぐサポートブック」を作成し、親が子に語り聞かせる「語り部活動」を行う。そして、避難区域における分断とコミュニティ再生に関する調査を継続し、その知見を制度形成に向けた政策提言に生かすと共に、分断修復学のもとに集約する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、福島原発事故後の家族、地域、全体社会における分断構造を明らかにし、それを修復する研究と実践(子育てセミナーワークショップ)を行い、福島における分断修復学を創成しようとするものである。大きく次の三つの取り組みを進めた。 第一に、これまで9回実施した社会疫学調査を振り返り、その成果を研究論文としてまとめる作業を行った。具体的には、「トラウマを抱えたコミュニティ:集合的トラウマの社会学」と「福島における分断修復学の創成:トラウマを抱えたコミュニティを回復の共同体に」を『中京大学現代社会学部紀要』に掲載した。また、共同研究者による研究成果を書籍として刊行すべく出版社に入稿した。それは『原発分断:その修復の多様な選択と総合化』(仮)東信堂である。 第二に、「親子をつなぐサポートブック」と「ふり返り手帳」を利用し、福島における分断修復のための「語り合いの場ふくしま」(ワークショップ)を実施した。具体的には、「みんな、子育てどうしている?子育てにかかわるコミュニケーションを考える」という題目で、子育てに関する連続セミナーを福島市と郡山市で合計4回実施した。ただ、コロナ禍により、前半2回は現地におけるハイフレックス型で実施し、後半2回はオンラインのみにて実施した。セミナーへの参加者は少数ではあったものの、満足度は高かった。 第三に、これまでの社会調査とそれに基づいた様々な取り組みを、調査対象者に還元する作業を行った。具体的には、2011年から本研究グループが取り組んできた研究活動を『福島子ども健康プロジェクトあゆみ2011-2022』という冊子としてまとめ、すべての調査対象者に送付した。併せて、クリスマスカードも同封した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のさらなる進行により、調査票を用いた社会疫学調査が行えなかったこと、また現地でハイフレックス型で実施予定であった「語り合いの場ふくしま」(ワークショップ)も後半2回はオンラインのみにて実施したことなどで、当初の研究計画を遂行することができなかった。これにより、大量の予算を積み残すこととなったが、それが再度繰越が認められなかった。この件に関しては検証と再考を求めたいと強く願っている。
|
今後の研究の推進方策 |
まず、これまでの研究成果をまとめてシンポジウム(第6回『原発と人権』全国研究・市民交流集会:2023年09月02日(土)~03日(日)於:福島大学)などで報告する。 また、原発事故による生活変化と健康影響に関する追跡・検証方法をさらに検討したい。さらに、原発事故がもたらした負の遺産をどのように伝承するかに関する検討を行いたい。
|