研究課題/領域番号 |
19H00635
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山岸 典子 立命館大学, グローバル教養学部, 教授 (50395125)
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研究分担者 |
満上 育久 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (00467458)
NAWA Norberto・E 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 主任研究員 (40395116)
大須 理英子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60374112)
熊野 宏昭 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90280875)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,150千円 (直接経費: 35,500千円、間接経費: 10,650千円)
2021年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2020年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2019年度: 22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
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キーワード | 未病 / 注意 / うつ / うつ病 / 見える化 / 改善 / 認知神経科学 / 認知心理学 / 心理物理 / 感情 / 脳神経科学 / バーチャル・リアリティ |
研究開始時の研究の概要 |
注意とこころの未病との関係を認知神経科学的に解明する。その上で、注意の特性をスマートフォンなどで測定し、機械学習を用いて幸福度を推定する技術を確立し、刻々と変化する注意状態からこころの未病を早期に検出可能かを明らかにする。更に、VRを利用した注意機能の強化訓練を行うことで、未病を改善し、こころを健康状態に戻す認知手法を開発する。この注意機能の訓練が脳内にどのような変化を起こすかを明らかにし、うつ病の神経科学的解明に知見を与える。本研究は、うつ病に対し、注意という客観的定量化と訓練が可能な機能を用い、未病のうちに見える化し、改善する新しい認知神経科学に基づいた神経認知療法の開発につながる。
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研究成果の概要 |
本研究では、うつ病にいたる心の変化を連続的にとらえ「こころの未病」という新しいコンセプトを取り入れ、注意機能と「こころの未病」には関係があるかを認知神経科学的に明らかにした。具体的には実験的に人の心の状態を誘導するMIP (Mood Induction Procedure)を構築し、その技術を使い、感情の注意の空間的機能への影響を心理物理実験で明らかにした。またVRゴーグルを使い、日常における注意機能を計測することで感情を推定することが可能であることを示した。さらにfMRI計測により、前頭前皮質が心の未病と関係する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
注意と心の状態との関係は、社会心理学におけるポジティブ心理学の分野や精神医療の現場で注意訓練を用いたうつ病や不安障害の症状緩和の試みが始まっているのみであった。しかし、これらの研究は注意と幸福度の関係の体系的な解明研究ではない。本研究は、これらの要素研究を基に、注意機能と幸福度との関係を体系立てて、認知神経科学的に解明することに取り組む研究であり、その知見を利用し、うつ病の手前の状態である「こころの未病」という新しい概念に対し、注意機能を利用し未病を推定し、改善しようとする試みであり、この成果は、うつ病の神経科学的解明に知見を与え、新しいこころの予防医療につながるものとなっている。
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