研究課題/領域番号 |
19H00643
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日野 正訓 京都大学, 理学研究科, 教授 (40303888)
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研究分担者 |
楠岡 誠一郎 京都大学, 理学研究科, 教授 (20646814)
竹田 雅好 関西大学, システム理工学部, 教授 (30179650)
上村 稔大 関西大学, システム理工学部, 教授 (30285332)
桑江 一洋 福岡大学, 理学部, 教授 (80243814)
会田 茂樹 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (90222455)
松浦 浩平 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90874355)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
43,290千円 (直接経費: 33,300千円、間接経費: 9,990千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2022年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2021年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2020年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2019年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | ディリクレ形式 / 確率解析 / マルコフ過程 / フラクタル / ラフパス / マリアバン解析 / マルコフ課程 / 確率量子化方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ディリクレ形式に付随するマルコフ過程の微視的挙動に着目した理論の深化を図り,特異な状況の解析や,確率過程から派生する空間構造を解明することによって,ディリクレ形式の基礎理論を展開することを目的とする.特に,以下のテーマに沿った研究を行う:強局所ディリクレ形式から定まる可測リーマン構造に基づく確率解析の研究,飛躍型ディリクレ形式から定まる空間構造の研究,ラフパス解析とディリクレ形式の融合的研究,無限次元空間上の確率解析の研究,測度距離空間における確率解析の研究.
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研究実績の概要 |
本研究課題に参画した研究者は以下の成果を挙げた。 日野は,ランダムシェルピンスキーガスケットを含むクラスのフラクタルに対して,その上で定義されるディリクレ形式に関するエネルギー測度が自然な参照測度と特異になるための十分条件を与えた。竹田は,再帰的なディリクレ形式からh変換により臨界的なシュレディンガー形式を構成することで最適なハーディ不等式を導き、既知の結果がこの方法でも導けることを確認した。桑江は,境界の無い完備リーマン多様体上の滑らかなベクトル場VによるV-Laplace作用素を考え,Vに対応するN-Bakry-Emery Ricci tensorがN≦0で非負のときにいくつかの条件下で劣線形増大性をもつV-調和写像のLiouville型定理を得た。上村は,対称ディリクレ形式に対応するマルコフ過程に対する均質化問題を考えた。特に,拡散係数の周期性に加えて,Levy densityの係数に対する可積分性と周期性の条件のもとで,2-scale convergenceを援用することで対応するディリクレ形式のMosco収束を示すことに成功した。会田は,ガウス型ラフパスで駆動される微分方程式の解と実装可能なMilstein近似解,Crank-Nocolson近似解の誤差過程の極限の同定に必要な,重みつきエルミート過程のモーメント評価をマリアバンの部分積分の公式と多次元ヤング積分の評価を用いて与えた。松浦は,d次元ブラウン運動の時間変更過程について研究し,対応するレゾルベントの空間変数に関するヘルダー連続性とその指数の下からの定量評価を得た。また,楠岡・桑江・松浦による共同研究として,解析半群の理論の観点から,半群とレゾルベントそれぞれの強フェラー性の間の関係について研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の日野はフラクタル上の確率解析について成果を得た。研究分担者の竹田と上村はディリクレ形式の理論に関して,桑江は多様体上のポテンシャル論に関して,会田はラフパス解析とマリアバン解析に関して,松浦はディリクレ形式と確率解析に関して,楠岡は半群のフェラー性に関して成果を得た。総じて順調に研究を遂行しているため,その旨の評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者および研究分担者は順調に研究を遂行している。研究計画時には想定していなかった方向についても研究が展開されているので,今後の研究推進に関しては柔軟な対応を行い,進展が見込めそうな方向性の研究について重点的に取り組むものとする。引き続き,得られた成果については国内外の研究集会で発表を行うものとする。
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