研究課題/領域番号 |
19H00653
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩佐 義宏 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20184864)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
46,150千円 (直接経費: 35,500千円、間接経費: 10,650千円)
2019年度: 22,880千円 (直接経費: 17,600千円、間接経費: 5,280千円)
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キーワード | 2次元物質 / ファンデルワールスヘテロ接合 / 対称性制御 / 非相反伝導現象 / 異常光電流 / 2次元物質 / 異常光伝導 / 電界効果 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の物質科学は、原子層1層あるいは数層の物質が安定に存在し、バルクの結晶と大きく異なる性質を示すことを明らかにし、2次元物質という新しい一大分野を形成した。今後はそれらの2次元物質を自在に積層したファンデルワールス(VdW)ヘテロ接合による新たな物質群の開拓とその物性・機能の開拓が大きな課題となってくる。VdWヘテロ接合は、従来のヘテロ接合の枠組みを大きく超えた新しい概念であり、2次元物質の多様性と相まって、無限の発展が期待できる。本研究は、多様なVdWヘテロ接合と、代表者グループ独自の物性評価技術と組み合わせることによって、新たな2次元物質の学理を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は、ファンデルワールス(VdW)ヘテロ接合による物性の制御を目的としており、主に機械的な積層法によって、多様なvdWヘテロ接合を作製する。本年度は、MoS2単層と多層黒リン(BP)の積層構造の作製と、対称性を反映する異常光電流(ゼロバイアスでの光電流)の評価を行った。MoS2単層は三回回転対称性を有する物質であり、BPは二回回転対称性を持つが、これらの回転対称性は両立することができないため、vdWヘテロ接合では回転対称性が消失し極性界面が現れると考えられる。とくに両物質が有する鏡面をそろえて積層した場合には、鏡面方向に極性が生ずる。本研究では両物質の鏡面を0度、および90度の角度で積層した2種類の界面を作製し、それからの光電流マッピングを行った。その結果、鏡面を0度で積層した場合に、光電流が界面全体で発生することが観察され、極性を持たない2つの物質の界面において極性が発生していることを強く示唆する結果を得た。さらに、分極に平行方向での光伝導度が現れる一方、極性に垂直方向での光電流は比較的弱いという結果も得られた。さらに、カナダのブリティッシュコロンビア大学との共同研究を行い、光電流の励起スペクトルを測定した。その結果、MoS2のバンドギャップより大きな光エネルギー領域で特徴あるピークを観測するとともに、バンドギャップより小さな光エネルギー境域では、分極に垂直な方向の光電流が、平行な方向よりも大きくなる逆転現象を発見した。 これらの結果を受け、理論家と協力して、MoS2/BP界面のバインディングモデルによる定式化を行うとともに、シフト電流機構による非線形光伝導度の励起スペクトルの計算を行った。励起スペクトルには、実験との定性的な一致が見られ、計算が本系の本質をとらえているとともに、シフト電流機構を強く支持する結果が得られた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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