研究課題/領域番号 |
19H00663
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 和貴 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80451491)
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研究分担者 |
永岡 賢一 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (20353443)
鷹尾 祥典 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80552661)
安藤 晃 東北大学, 工学研究科, 教授 (90182998)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2020年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2019年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
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キーワード | プラズマ推進 / 磁気ノズル / 運動量輸送 / ディタッチメント / プラズマ流 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気ノズルを用いた無電極プラズマ推進機の研究開発が進む中で,運動量輸送と磁気ノズルからのプラズマ離脱に関して,定常現象から不安定性・乱流現象に起因する動的現象を包括した総合的な理解を進める必要がでてきている.本研究では,ヘリコンプラズマスラスタとヘリコンMPDスラスタを用いて,数桁にわたる広範なパラメータ領域を包括した実験を推進し,プラズマ離脱現象の発現と理解を進めるとともに,定常的および動的なプラズマ挙動に起因する運動量輸送機構を明らかにする.これにより磁気ノズルプラズマ流が織り成す物理現象の学術基盤を構築し,磁気ノズルプラズマ推進機の研究開発を加速する.
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研究成果の概要 |
本研究では,磁気ノズルプラズマ推進機に関して,内部での運動量輸送機構の理解を進め,特にプラズマ生成部内壁への損失エネルギー分布を解明するとともに,損失抑制によって推進機性能の向上を実現した.また,磁気ノズルからのプラズマ離脱現象に関する実験では,静電場によって加速されたイオンの離脱の観測,および自発的な波動励起に伴って駆動される電子の内向き輸送現象を発見し,プラズマ離脱に向けたシナリオを示した.さらには,推進システムの小型化や制御性の向上を目的として,高速・自動制御型の周波数可変RFシステムを開発し,10msec以下の時間でインピーダンス整合および推進機の安定運転が可能であることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,大電力・長寿命の宇宙推進機の候補である磁気ノズルプラズマ推進機の開発と高性能化に向けて,プラズマ現象やエネルギー損失等を室内実験で明らかにし,その物理的解釈を与えており,学術的な意義が大きく,将来的には宇宙輸送技術の開発へとつながることから社会的な意義も大きいといえる.さらには,宇宙空間での作動に必要なプラズマ離脱現象に関して,静電場によるイオン加速と,自発的に励起される波動による電子の輸送が混合した輸送現象が起きていることを観測し,プラズマ離脱現象の新たなシナリオを提示した.このような現象は報告例がなく,学術的な意義が非常に高いといえる.
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