研究課題/領域番号 |
19H00680
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三代木 伸二 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (20302680)
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研究分担者 |
都丸 隆行 国立天文台, 重力波プロジェクト, 教授 (80391712)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2020年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2019年度: 26,390千円 (直接経費: 20,300千円、間接経費: 6,090千円)
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キーワード | 重力波 / 低温吸着 / レーザー干渉計 / 刺激脱離 / 昇温脱離 / 低温鏡 / 低温吸着汚染 / 光刺激脱離 |
研究開始時の研究の概要 |
第三世代重力波望遠鏡計画では、現第二世代重力波望遠鏡の100Hz 前後の最重要観測帯域を制限している熱雑音の低減のため、鏡を低温化させることが既定路線となっている。しかし、低温鏡は、主な残留ガスである水分子の表面吸着を招き、鏡の超低損失光特性を損なう。本研究では、真空かつ低温下で装置に装着した状態の鏡に対し、外部からパルスレーザーや真空紫外光を照射し、低温による表面吸着分子の光刺激脱離、及び、鏡に発生した静電気等で引き寄せられた表面を汚染する有機物質などの分解により、鏡の反射性能の低下を、昇温過程を経ずに回復させ、観測不能期間を可能な限り低減させる技術の開発を行う。
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研究実績の概要 |
コロナのさらなる感染拡大により継続された、外出および移動の制限、それから世界的に派生した、生産活動と物流の混乱により、真空装置の改良設計を行い、令和4年3月までに、真空装置の改良部分の発注、真空装置の改良部分の構築を行う予定までには到達できなかったが、その中においても下記の活動を行った。 引き続き、サファイア鏡基材の上にコーティングされたTa2O5/SiO2誘電多層膜で構成される高性能鏡に吸着した水分子の低温における 脱離エネルギーを計測するための実験系の構築を行った。特に本年度は、真空タンク内光学系の構築を行った。さらに、前年度懸案となった、乾燥窒素の消費を低減し、実験室への放出による窒素中毒への懸念を根絶するための空間閉回路を作成したが、光学部品そのものから放出される微小な水分が残存する問題に対しベイキング等の手法で改善を行った。前年度までに構築した真空系に対し、さらに、外部光軸常板上光学系も真空内に内包し、極力窒素ガス中を通過しない校正とすべく、真空系の改良設計を行った。さらに、水分子そのものではなく、水分子が付着したサファイア鏡基材の昇温に焦点を置いた水分子脱離化実験に必要なレーザーとそのレーザー光学系を新たに構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度に引き続き2021年度も、コロナ禍による行動制限に加え、世界的な物流の混乱による、物品調達がままならない支障が発生したため。
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今後の研究の推進方策 |
真空系の改良と再構築を行った後、水分子だけに特異的に吸収するレーザー波長による、水分子脱離実験と、サファイア鏡基材自身の高速昇温による脱ガス実験を開始する。その前に、まずは、そのようなレーザーが、薄膜コーティングそのものにたいするダメージの影響がないかの確認から開始する。
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