研究課題/領域番号 |
19H00683
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2020-2022) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
榎戸 輝揚 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 理研白眉研究チームリーダー (20748123)
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研究分担者 |
鴨川 仁 静岡県立大学, その他部局等, 特任准教授 (00329111)
森本 健志 近畿大学, 理工学部, 教授 (60403169)
小野 英理 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (80827460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
44,460千円 (直接経費: 34,200千円、間接経費: 10,260千円)
2021年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2020年度: 14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2019年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | photonuclear reaction / gamma-ray glow / atmospheric physics / radiation measurement / lightning discharge / neutron / citizen science / 高エネルギー大気物理学 / 雷放電 / 光核反応 / 雷雲ガンマ線 / シチズンサイエンス / 放射線計測 / オープンサイエンス / 中性子 / 雷雲プロジェクト / GROWTH / レーダー / 放射線測定 / Thunder Cloud Project / 冬季雷 / 冬季雷雲 / GROWTH Collaboration / Terrestrial Gamma-ray Flash / Collective Power of Science / マッピング観測 / 雷雲 |
研究開始時の研究の概要 |
雷では電場加速された電子がガンマ線を放射する。近年、このガンマ線が大気中の窒素や酸素の原子核と光核反応を起こす観測的な証拠が発見された (Enoto et al., Nature 2017)。本研究では、この光核反応が雷放電のどのプロセスで、どれくらいの量の反応が起きているのかを明らかにするため、金沢を中心とした地域に放射線のモニタリング観測網を構築し、電波、大気電場計と連携させ、高エネルギー大気物理学という新しい分野を切り拓く。
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研究成果の概要 |
本研究は近年発見された雷雲や雷放電に伴う放射線を観測し、大気中で発生する高エネルギー物理現象の解明を目指している。特に、雷放電の進展と電子加速の比較、雷に伴うガンマ線での光核反応の研究、雷放電のトリガー機構の研究を行う。3年間の研究期間で冬季雷で有名な金沢の周辺に、シチズンサイエンスの枠組みを活用した小型の放射線モニタを70個ほどを設置する体制を構築した。その結果、雷雲からのガンマ線照射領域(電子加速域)と電波で測定した雷放電のトリガーが同じ領域で起きる現象を見つけ論文で発表した。今後、光核反応の理解にもつながる観測網になると期待している。これは雷トリガーの謎に迫る次の基盤研究Aを提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放電は強い電場で発生するが、雷雲内で放電を開始するだけの強電場が観測できないことから、雷がどのように始まるかは大気科学における長年の未解決問題である。本研究は宇宙線空気シャワーと雷雲の相互作用が雷放電のトリガーに関わるのではないかという作業仮説を観測的に研究する学術的な意義がある。また、その実施においては金沢の市民サポーターと連携したシチズンサイエンスという手法を持ち込んでおり、科学をその成果創出だけではなく、科学そのものを市民とともに楽しむという社会的意義がある。実際、2022年度には市民サポーターを巻き込んだワークショップを金沢で実施し、科学と文化の融合を狙っている。
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