研究課題/領域番号 |
19H00685
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
増田 孝彦 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任准教授 (90733543)
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研究分担者 |
北尾 真司 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (00314295)
山口 敦史 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (70724805)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,110千円 (直接経費: 34,700千円、間接経費: 10,410千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2020年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2019年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | トリウム229 / 核共鳴散乱 / 核異性体 / 原子核時計 / 能動的核異性体生成 / レーザー励起 |
研究開始時の研究の概要 |
トリウムの同位体の一つトリウム229は、原子核としては異常に低い10eV以下の核異性体準位を有している。レーザーで制御可能な唯一の原子核として、基礎物理から高精度周波数標準といった具体的応用まで、様々な波及効果が期待されている 。しかし、長年の研究にもかかわらずいまだレーザー励起の成功例はない。本研究では独自に確立した能動的核異性体生成法を駆使し、トリウム229原子核を人工的に核異性体準位に遷移させることで、核異性体準位のレーザー励起・分光を実現する。
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研究成果の概要 |
トリウム229の第一励起準位(アイソマー準位)は、励起エネルギーが約8eV程度と低く寿命が1000秒を超えると予想されている、特殊な原子核準位である。本研究では能動的核異性体生成法を用いて、トリウム229原子核の基底準位からアイソマー準位に人工的に励起する手法を用いて、アイソマー準位からの真空紫外光発光観測を行った。 能動的核異性体生成に重要なX線ビームのエネルギーの精密モニタの開発、真空紫外光発光観測のための高効率ダイクロイックミラー開発などを進め、真空紫外光の発光を示唆する実験結果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トリウム229の第一励起準位(アイソマー準位)は超精密周波数標準「原子核時計」の候補として注目されている原子核である。そのためにはアイソマー順位へレーザー励起する必要があるが、そのためにはアイソマー準位のエネルギーや寿命の決定が必須となる。 本研究ではそのエネルギーや寿命の決定のため、能動的核異性体生成法を用いてアイソマー準位を人工的に用意し、その脱励起を観測する実験を進めた。期間終盤に脱励起に伴う発光の兆候を捉えることに成功しており、今後、発光を詳細を研究する手がかりを掴むことができた。
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