研究課題/領域番号 |
19H00694
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分16:天文学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 雅臣 東北大学, 理学研究科, 教授 (70586429)
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研究分担者 |
田沼 肇 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30244411)
中村 信行 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 教授 (50361837)
加藤 太治 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (60370136)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2022年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2021年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2020年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2019年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 中性子星合体 / 原子データ / 重力波 / 重元素 |
研究開始時の研究の概要 |
2017年に中性子星合体からの重力波が初めて検出され、電磁波対応天体の観測から中性子星合体で鉄よりも重い元素が作られた兆候が得られた。本研究は、中性子星合体の分光データを読み解き、合成された元素の種類を明らかにすることを目的として、原子構造計算とイオン分光実験によって精密な重元素の原子データを網羅的に構築し、輻射輸送シミュレーションによって中性子星合体からの電磁波放射の正確な計算を行う。本研究の結果から、中性子星合体が合成・放出している元素の種類と量を明らかにすることで、宇宙における重元素の起源を解明する。
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研究成果の概要 |
中性子星合体で合成される重元素に対して網羅的な原子構造計算を行い、キロノバの電磁波放射の理解の基盤となる原子データを構築することができた。また、原子構造計算のベンチマークとすべく、重元素のレーザー誘起ブレークダウン分光実験を行い、遷移確率の測定を行った。これらの結果を用いて完全性の高く、かつ正確な原子データを構築し、キロノバの輻射輸送シミュレーションを実施し、キロノバの可視光・赤外線スペクトルに重元素の特徴を同定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、中性子星合体からの電磁波シグナル(キロノバ)の解釈のために必要不可欠な重元素の原子データを構築することに成功した。その結果、キロノバのスペクトルの解釈が可能となり、中性子星合体でストロンチウム、セリウム、ランタンといった元素が合成されたことを初めて分光学的に明らかにすることができた。本研究の成果は、宇宙における重元素の起源の理解を大きく進めるものである。また、構築した原子データは全世界に向けて公開されており、本研究の成果は広く研究コミュニティに貢献するものである。
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