研究課題
基盤研究(A)
太陽系外の恒星の周りで3000を超える系外惑星が発見されている。系外惑星の中には、地球と同程度の大きさで、かつ主星からほどよい距離にある水を保有する可能性のある生命居住可能惑星が含まれる。本研究は、地球型系外惑星の大気分光のために、太陽系近傍の食を起こす地球型系外惑星の分光観測ための技術を確立するものである。2016年に提案された瞳収縮分光は、望遠鏡の姿勢変化や検出器ゲインの時間変化の影響を抑えて、10万分の1の測光分光の安定性を達成できる可能性が示された。本研究は、宇宙観測環境を模擬する望遠鏡シミュレータを開発し、観測環境下での瞳収縮分光器の性能を評価する。
本研究は、太陽系近傍にある低温星周りの地球型系外惑星の熱放射の検出、さらに大気分光を目指して、中間赤外線において超高安定の分光測光観測を実現するものである。その実現において、原理的に高い分光測光精度が達成可能な瞳分光法(望遠鏡の入射開口面を分光する方法)に着目し、極低温テストベッドをNASA Ames Research Centerに構築し、その実証と性能評価を行った。本実験を通して、瞳分光像を検出面に形成することに成功し、またジェームズ・ウェブ宇宙望遠鏡用に開発された中間赤外線検出器と瞳分光器を組み合わせて100万分の10の安定性を得ることに成功した。
地球型系外惑星の大気分光は、宇宙における生命探査の最初の一歩として位置付けられる。惑星大気の分子組成から点として観測される惑星の表層での生命活動の可能性を検証することが可能である。本研究は、NASAが提案した極低温宇宙望遠鏡ミッションコンセプトに、瞳分光器を搭載することによって、2030年代に食分光を通して生命探査の実現を目指すものであった。その搭載に向けて、NASA Ames Research Centerにおいて技術実証を行い、技術の確立を目指した。結果として、当初目指していた分光測光精度100万分の10に到達することができ、これは生命探査を可能にする性能である。
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