研究課題/領域番号 |
19H00702
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分16:天文学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
瀬田 益道 関西学院大学, 理学部, 教授 (80358994)
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研究分担者 |
酒井 剛 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20469604)
中井 直正 関西学院大学, 理学部, 教授 (80192665)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
44,720千円 (直接経費: 34,400千円、間接経費: 10,320千円)
2022年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2021年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2020年度: 18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2019年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 電波天文学 / 電波天文 / SIS素子 / ヘテロダイン受信機 / 電波望遠鏡受信機 |
研究開始時の研究の概要 |
テラヘルツ帯(1~3 THz)は電波天文学の最後の観測空白域である。星間物質の冷却過程で重要な電離炭素原子や電離窒素原子の輝線等、天文学上重要な帯域である。観測を妨げていたのは、観測サイトの問題であるTHz帯の大気での吸収が強いことと、高感度受信機が無いという技術的な要因である。本研究では、電波分光観測検出素子(SIS)に、新たな材料を用いて、これまで不可能と思われてきた1 THzを超えて2.4 THzまで動作可能なSIS素子の製作及び、そのSIS素子を搭載した、地上で唯一THz帯の観測可能な南極内陸部での運用を想定した、高感度ヘテロダイン却受信機を開発する。
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研究成果の概要 |
天体からのテラヘルツ帯の信号を数GHzの周波数帯へと周波数変換する電子素子(SISミキサー)において、従来材料のNbに変えNb3Geを用いることでTHz帯受信機の高感度化を試みた。X線による構造解析からNb3Geの薄膜の積層は確認できたが、SIS素子としての電気的な特性には未だ課題が残った。SISを搭載する冷却受信機としては、1.8kWの低い消費電力ながら 4 Kを実現する冷却受信機を作製し、1.5 THzまで出力可能なローカル信号源を整備した。南極新ドームふじ基地での30cm望遠鏡の運用が、国立極地研究所の南極観測第X期の観測課題として採択され、テラヘルツ天文学の観測サイトを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
テラヘルツ帯は、電波天文学の最後の観測空白域である。星間物質の冷却過程で重要な電離炭素原子CIIの輝線(1.9THz)や電離窒素原子NIIの輝線(1.46 THz)等、他の周波数領域では観測できない輝線があり天文学上重要な帯域である。長年観測を妨げていたのは、テラヘルツ帯の電波は大気での吸収が強いという観測サイトの問題、及びテラヘルツ帯では高感度受信機がないという技術的な要因である。本研究は、THz帯の受信機の高感度化に有用な、Nb3Geの薄膜生成技術の進展、南極大陸内陸部の地上で唯一の観測サイトである、南極新ドームふじ基地での天文台開設の目処がたった点に意義がある。
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