研究課題/領域番号 |
19H00723
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
西原 遊 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (10397036)
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研究分担者 |
西 真之 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10584120)
大内 智博 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (60570504)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
42,250千円 (直接経費: 32,500千円、間接経費: 9,750千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 地球中心核 / hcp鉄 / 高温高圧変形実験 / レオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
地震波速度異方性の存在から、固体金属でできた地球の内核で大規模な流動変形が起こっていることが示唆されているが、内核での流動変形の実態は内核物質の物性の理解が不十分なためよくわかっていない。本研究では、変形実験によって内核構成物質であるhcp鉄のレオロジーを明らかにし、変形実験と並行してhcp鉄中の元素拡散のカイネティクスをアニール実験によって明らかにする。これらを組み合わせて、hcp鉄のレオロジーをそのミクロな素過程から総合的に解明し、内核での物質流動の正確な評価を確立する。hcp鉄のレオロジーから見積もられる内核の粘性率から、内核の異方的構造を生み出しているメカニズムの特定を目指す。
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研究成果の概要 |
内核の主要構成物質であるhcp鉄と関連物質について、変形実験と元素拡散実験によりレオロジーをミクロな素過程から解明し、内核の異方的構造のメカニズムに迫ることを目指した。変形実験によって決定されたhcp鉄のレオロジーをもとに見積もると、内核条件でのhcp鉄の粘性率は約10^19 Pa s以上の高い値を持つことが示唆された。また、bcc鉄はhcp鉄と比べて約5桁も低粘性であること、hcpおよびdhcp水素化鉄はhcp鉄と比べわずかに低粘性であることが明らかになった。また、fcc鉄中のFe-Ni相互拡散係数は少なくとも25 GPaまでは過去の報告と一致し、その値が尤もらしいことが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
六方最密構造鉄(hcp-Fe)の実験結果に基づいて見積もられた地球内核の粘性率の高い値は、地球内核における構造形成メカニズムとして、異方的内核成長または並進運動がもっともらしいことを示唆している。固体金属の地球内核の複雑な異方的構造の成因については、数多くの仮説が提唱されており混沌としているが、この問題を強く制約することに成功した。
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