研究課題/領域番号 |
19H00731
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
大林 政行 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 主任研究員 (30359179)
|
研究分担者 |
杉岡 裕子 神戸大学, 海洋底探査センター, 教授 (00359184)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
46,540千円 (直接経費: 35,800千円、間接経費: 10,740千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2019年度: 28,470千円 (直接経費: 21,900千円、間接経費: 6,570千円)
|
キーワード | 海洋地震観測 / ハイドロフォン / 太平洋プルーム / 地震波トモグラフィー / フロート / 太平用プルーム |
研究開始時の研究の概要 |
地震波トモグラフィーによる地球内部構造は観測点分布に強く依存している。本研究では地震観測空白域である地球表面の約7割を占める海洋で、海中浮遊型地震観測ロボットという革新的機器でしか実現できないデータ取得を国際連携により行い、マントルトモグラフィーの全域高解像度化を実現する端緒となる。マントル大規模流を象徴する南太平洋大規模上昇流を対象にこの機器約50台を用いて仏領ポリネシアを中心に東西方向8000kmを超える前例のない海洋大規模地震観測を日仏米中の国際共同で行い、太平洋大規模上昇流の地表から核-マントル境界までのマントル全深さにわたる形態全貌を高解像度で明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究は日本、フランス、アメリカ、中国の国際共同で南太平洋の広大な領域でかつてない規模の地震観測をハイドロフォン搭載海中浮遊型地震観測ロボットMERMAIDフロートを用いて実施し、それにより得られた地震データで地震波トモグラフィーを実行し南太平洋下マントルの大規模上昇流(太平洋プルーム)の実態を明らかにしようとするものである。2019年度のMERMAIDフロート投入によって計50台が南太平洋で稼働しており、日本が管理している9台のデータ取得を続けている。引き続き地震波トモグラフィーに必要なP波初動の走時を読み取り、データを蓄積している。 2023年1月15日のフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山噴火に伴う信号が太平洋に展開中のMERMAIDハイドロフォンアレイで観測された。この信号はMERMAIDの持つ地震動自動検出機能では検出されなかったが、双方向イリジウム通信を介してフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山噴火に焦点を当てたデータリクエストにより取得できたものである。これにより噴火に伴うT-phaseが鮮明に観測された。このデータは海洋島の地震計、海底地震計、係留型ハイドロフォンのいずれでもなく、MERMAIDフロート特有のデータであり、走時解析、スペクトル解析を実行し地震学会等で発表した。現在より詳細な解析を進めている。 MERMAIDデータに応用可能なオントンジャワ海台周辺に展開した海底地震計データを用いたレシーバー関数解析を行った。これによりオントンジャワ海台下では410km不連続面が浅くなっていることが示された。また、カロリンホットスポット列に沿って410km不連続面が深くなっていることが示され、トモグラフィーで明らかになったカロリン火山列に沿ったマントル遷移層からのシート状上昇流を支持する結果となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度に展開したMERMAIDフロートから地震波データを取得しておりトモグラフィーに必要な解析を進めている。2023年1月15日のフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山噴火に伴う信号が観測され解析を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
国際協力のもとMERMAIDフロートから送信されるデータを継続して取得する。得られた地震波形データを解析して地震波トモグラフィーに必要なデータを得る。蓄積されたデータを用いて地震波トモグラフィーを実行し、太平洋プルームの構造を明らかにする。 MERMAIDハイドロフォンアレイで観測された2023年1月15日のフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山噴火に伴う信号を用いてビームフォーミング法を応用した手法等で詳細な解析を行なう。
|