研究課題/領域番号 |
19H00747
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
辻 義之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252255)
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研究分担者 |
山本 義暢 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40377809)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,070千円 (直接経費: 33,900千円、間接経費: 10,170千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2020年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2019年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | 量子乱流 / 高レイノルズ数乱流 / 乱流の普遍性 / 乱流普遍則 / 壁乱流 / 乱流 / 量子渦 / 普遍性 / 渦構造 |
研究開始時の研究の概要 |
液体ヘリウムは絶対温度2.17Kにおいて、その粘性が消失する超流動ヘリウム(HeII)へと相転移する。HeIIでは量子渦が複雑に絡み合うタングルが形成され、発達乱流場の普遍的性質を内在すると考えられる。微細粒子を用いた速度場のラグランジュ計測から、量子乱流場の普遍法則(Kolmogorov則や対数法則)を検証するとともに、その普遍性が成立する背景を量子渦の自己組織化を介して明らかにする。水や空気など古典乱流がそなえるリチャードソン・カスケードと比較することで、運動量やエネルギー輸送をになう物理機構を解き明かし、広く複雑乱流の普遍性を理解することを目的とする。
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研究成果の概要 |
超流動乱流場において速度三成分の時系列データの計測を三次元空間で取得できるシステムを構築した。流動場の空間微分から速度勾配テンソルを算出し、その第二普遍量(Q値)から渦構造・渦層を抽出した。超流動乱流中の固体粒子のラグランジュ軌道の曲率を調べ、その確率分布は古典流体と類似する。しかし、二次元と三次元では異なる分布形状を示すことを明らかにした。個体粒子と量子渦の干渉は、軌道曲率によって識別できる。量子渦の渦間距離が、粒子軌道の時間分散とハースト指数に関連することを見い出した。超流動場の新しい可視化粒子として、ヘリウムエキシマの生成を液中放電により実施し、その有効性を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子乱流における流動の特性を古典乱流場で用いられた統計的手法により解析することで、広く乱流の特性を理解できる道筋を示せた。流体乱流の普遍的理解に貢献できるものと考えている。ヘリウムの流動特性を理解することは、ヘリウムを用いた冷却技術の改善にも寄与することが期待される。核融合炉における超電導マグネット、量子コンピュータの基盤冷却など繊細な部位の効率的な熱除去には、量子乱流の特性を理解することが不可欠である。本研究での成果は、それらの技術開発に貢献できる。
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