研究課題
基盤研究(A)
窒化ガリウム(GaN)は、高い絶縁破壊電界強度を有し、次々世代のパワーデバイス材料として注目を集めている。半導体上に絶縁膜と電極を積層した構造は、MOS型電界効果トランジスタの基本構成となるが、特性が異なる材料界面の物性制御は容易ではない。本研究では、絶縁膜/GaN界面欠陥の物理的な起源を解き明かすと共に、新たな欠陥終端技術を探索し、高効率高信頼性GaN-MOSデバイスの実現に貢献することを目的としている。
窒化ガリウム(GaN)半導体パワーデバイスの心臓部となる金属-酸化膜-半導体(MOS)構造の高品質化に向け、界面反応制御技術を駆使して界面特性の改善に取り組んだ。絶縁膜とGaN基板との界面に極薄のGaOx層を挿入する事で、伝導帯端近傍の欠陥密度を低減可能であるが、界面層の還元反応に伴う特性劣化が問題となる。本研究課題では、GaN MOS構造の界面電子物性を明らかにすると共に、後熱処理条件や絶縁膜形成技術の高度化を通じて、GaN MOSデバイスの高効率化と信頼性向上を達成した。
MOS構造は電子デバイスの基本構造であり、Si半導体においては界面欠陥の物理的な起源や欠陥終端技術が確立されているのに対して、GaN半導体では界面欠陥の起源やMOS構造の高品質化に向けた指針が確立されていない。GaN MOS構造の界面電子物性の理解は、学術的な観点からも極めて興味深い研究対象であると同時に、物性解析を通じた高品質GaN MOS構造の実現によりGaNパワーデバイスの社会実装が進めば、電気エネルギーの有効活用や、高周波用途への利用拡大を通じて高度情報化社会の構築に大きく貢献する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 9件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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