研究課題/領域番号 |
19H00783
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 周平 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (00378811)
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研究分担者 |
古米 弘明 中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (40173546)
高田 秀重 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70187970)
鈴木 裕識 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20762272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
44,330千円 (直接経費: 34,100千円、間接経費: 10,230千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2019年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | マイクロプラスチック / 水循環系 / 路面粉塵 / 水田 / 畑地 / 繊維状マイクロプラスチック / 雨天時 / 路面塵埃 / 下水処理場 / マイクロファイバー |
研究開始時の研究の概要 |
5 mm以下のプラスチックによる水環境汚染が問題となっている。ところが、マイクロプラスチックがどこで発生し、どのような大きさで、どこに存在しているのかは明らかになっていない。問題点は各試料別の迅速な分析方法が確立されていないことにある。本研究では、これまで測定が困難であった1~10 μmのMPsの採取、計測、成分同定手法を開発し、都市水循環系におけるMPsの分布および動態を把握し、発生源を特定することを主目的とする。これにより、流域内での発生量を発生源別に定量化する。そして、紫外線照射による耐候性試験、加熱劣化試験と得られた赤外スペクトルとの関係からMPsの劣化度を把握し、環境運命を予測する。
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研究成果の概要 |
5mm未満のプラスチックによる水環境汚染が問題となっている。マイクロプラスチックは、どこで発生し、どのような大きさで、どこに存在しているのか。本研究では、都市水循環系におけるMPsの分布および動態を把握し、発生源の特定と環境運命予測を行うことを主目的とした。10μmのMPsの採取、計測、成分同定手法を開発することで、生物への濃縮過程を含めた議論を可能とした。本手順を用いて、道路塵埃、雨天時路面排水、洗濯排水、下水処理工程水、農業排水、河川水中のMPsの動態を調査し、流域内での発生量を発生源別に定量化した。特に雨天時の道路面からの洗い流しに着目し、雨天時越流水中のMPsの存在実態を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LDIRや顕微FTIR、熱分解GC-MSなどを駆使して、実環境中の極微小MPsの前処理、計測、成分同定方法を開発した結果、環境中のマイクロファイバーの存在やタイヤ由来の劣化ゴムの底質への蓄積が明らかとなった。そのレンジのMPsを摂食する生物も多いことから、生物濃縮過程を含めた議論が展開され、MPsの動態解明を飛躍的に進歩させるなど新たな学術分野を開拓することができた。例えば、PM2.5は肺の奥深くにまで入り込みやすく、呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを上昇させる。2.5μmのMPsの存在を知ることは、人体への曝露経路を知る上で重要であると考えられるため、社会的意義がある。
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