研究課題/領域番号 |
19H00802
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川畑 友弥 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50746815)
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研究分担者 |
三上 欣希 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40397758)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,670千円 (直接経費: 35,900千円、間接経費: 10,770千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2019年度: 29,640千円 (直接経費: 22,800千円、間接経費: 6,840千円)
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キーワード | 脆性亀裂発生 / CTOD / 繰り返し載荷 / 材料損傷 / 結晶塑性 / 鉄鋼材料 / 船舶安全性 |
研究開始時の研究の概要 |
社会活動の基盤をなす社会インフラに多く用いられる大規模鋼構造物の設計・維持判断においては甚大な被害を招く脆性破壊防止のため、CTODクライテリオンを用いた破壊力学アセスメントが行われるが、近年の地球環境条件激化もあり、より高精度な評価が求められる気運にある。しかし、現存規格では評価者毎のノウハウに依存する部分があり、標準化が不完全である。そこで、本研究では、波浪や地震などの、繰返し負荷による限界特性の棄損を考慮した上で実験ノウハウを標準化するための研究を行う。この目的達成に共通するコア技術として「ランダムな塑性変形後の結晶粒内損傷分布を定量把握するためのメゾスケール数値モデル開発」を実施する。
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研究成果の概要 |
溶接継手CTOD評価の際に必要な逆曲げ/局部圧縮処理を行った際の材料損傷、靭性低下について実験・数値解析双方から検討した。ベイズ最適化を用いた溶接~破壊シミュレーションにて最適条件を見出し検証試験も実施した。ISO会議でISO15653改訂の合意を得た。また、正負交番予歪による材料損傷を高精度把握すべくFE-SEM内その場観察を行った。正負交番予歪付与後脆性破壊発生特性は繰り返し予歪による低下が見られるが、特に靭性値が背応力の変化率を考慮したワイブル応力クライテリオンと良好な相関があることを知見した。最終的にマクロ変形履歴情報のみから計算可能な損傷蓄積予測式を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では鋼構造物が予歪を受けた際の耐破壊特性変化がその予歪履歴の影響を受けることから、より精緻にメカニズムを研究し、高精度予測を行うことを目指したものである。 一つの応用は残留応力を持つ溶接継手の破壊靭性評価の際に必要な前処理方法について妥当かつ統一的な方法を提供したことであり、得られた成果はISO規格として成立し世界の技術者が使うことになる。もう一つは繰返し負荷が破壊以前に作用した場合の損傷量の定量化である。精緻なメカニズム研究を基礎に簡易式を構築したので、地震や波浪を経た後の海上・陸上構造物の継続使用可否判断などに有効となる。
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