研究課題/領域番号 |
19H00822
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
|
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
中山 忠親 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (10324849)
|
研究分担者 |
吉村 武 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30405344)
柿本 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40335089)
床井 良徳 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 准教授 (80572742)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
46,670千円 (直接経費: 35,900千円、間接経費: 10,770千円)
2021年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2019年度: 28,080千円 (直接経費: 21,600千円、間接経費: 6,480千円)
|
キーワード | ポーリング / 強誘電体 / ナノ秒パルス / キュリー点 / 電気機械結合係数 / 分極 / 誘電体 / ナノ秒パルス電源 / ハイブリッド材料 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでにもパルス分極として、バイポーラミリ秒パルス分極や、ミリ秒パルス分極等の手法が開発されている。これら研究では、パルス印加による電極近傍でのマイクロドメイン形成とそれによる圧電特性の向上などが報告されている。しかし、印加出来る電圧も絶縁破壊電圧以下であることから、パルス電源としての優位性を十分に生かし切れているとは言えない。このほか、フェムト秒レーザー光ポーリング等の研究もなされているが、主に薄膜の物性面への興味が主である。そこで本研究においてはナノ秒パルス電源によるバルク体へのパルスポーリングを実施し、その特徴を生かすことで誘電体の活躍領域を拡張することを目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究はパルスと直流電場を併用することで絶縁油の耐熱温度200℃を超える高キュリー点を持つ強誘電体を空気中で分極させることを目的とする。本研究ではパルスと直流電場を同時に印加する手法でキュリー点が350℃の強誘電体を分極させた。同時印加させることで電気機械結合係数k_pが0.65となり、パルス分極法を超えるk_p値を得ることができた。パルス電場のみではイオン分極されなかったが、直流電場を補うことでイオン分極が起こりより高いk_p値を得ることができたと考える。以上より、高キュリー点を持つ強誘電体の分極に成功した。この手法は分極困難だった高キュリー点の材料の分極への応用が期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強誘電体を実際に使用するためには、分極処理が不可欠である。このときイオンの位置を物理的に動かす必要があるため、基本的にはキュリー温度近傍で、格子が不安定な状況のときに電場を印加する必要がある。しかし、キュリー点が高温で、かつ、高電場を印加する必要がある強誘電体においては、たとえば空気の絶縁破壊などにより、材料に電場を印加できないために、やむを得ず薄膜化するなどの制限があった。これに対して本手法であれば、室温で空気中でもナノ秒パルスと直流電場の重畳電場により高電場を印加出来ることから、強誘電体の材料選択の自由度が飛躍的に向上する。
|