研究課題/領域番号 |
19H00824
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 晴行 京都大学, 工学研究科, 教授 (30213135)
|
研究分担者 |
岸田 恭輔 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20354178)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
46,410千円 (直接経費: 35,700千円、間接経費: 10,710千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2019年度: 27,560千円 (直接経費: 21,200千円、間接経費: 6,360千円)
|
キーワード | 低温変形能 / マイクロピラー / 降伏応力 / サイズ依存性 / 転位核生成 / 臨界体積 / 脆性材料 / 転位 / 脆性金属間化合物 / マイクロピラー試験 / 界面誘起塑性変形 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,新たに見出した脆性材料における低温変形能および界面誘起塑性変形能はバルクでは観察できない新規な力学物性である.本研究では,「転位の核生成にはある臨界体積が必要で,その大きさはバルクでの変形開始温度および低温変形能が出現する臨界試料サイズと相関がある」との仮説のもと,マイクロピラー圧縮試験によりCRSSおよびその歪速度依存性の試料サイズ依存性を実測することを通じて,転位生成の臨界核サイズ,界面誘起塑性変形能発現の脆性相臨界厚さおよびその相関関係の解明を試みる.
|
研究成果の概要 |
マイクロピラー圧縮試験から,バルクでは高温でなければ全く変形能を示さない脆性金属間化合物材料における低温変形能の解明を行い,その工学的応用を探った.低温変形能の発現を鉄鋼材料の脆化相であるラーベス相およびシグマ相金属間化合物に加えてパーライト鋼の強化相であるセメンタイト相金属間化合物で見出した.セメンタイト相化合物では広い試料サイズ範囲で脆性割れは生じないが,シグマ相,ラーベス相となるほど脆性破壊が生じる確率が高くなる.破壊靭性値が小さく,塑性変形に許容される予亀裂の臨界サイズが小さいため,転位の活性化応力に到達する前に破断が生じるためである.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バルクでは発現しない脆性材料の低温変形能という現象そのものが新規な発見で学術的独自性が非常に高いが,その発現は原子が協調的励起を受けている体積に対応する転位核生成の臨界体積により記述でき,これを微小な試験片体積で高い応力レベルの実験ができるマイクロピラー試験によって実験的に評価する点に高い創造性があり,学術的意義がある.ラーベス相,シグマ相などの脆性金属間化合物の低温変形能の発現を調べ,この低温変形能のメカニズム解明を通して,脆性破壊が生じる臨界サイズが解明され,オーステナイト系耐熱鉄鋼材料おけるこれらGCP相金属間化合物に係わる脆化を回避する方策の開拓ができ,社会的意義も高いといえる.
|